10・14サンパウロの便所事情 (2009/10/15)
犬の散歩をしながら、セ広場近くに差し掛かったところで、人の歩く流れがおかしいことに気がついた。皆わざわざ歩道から外れて車道を歩いているのだ。ちょっと気にかかったが、そのまま進む。ちょうど問題の所にきた所で理由がわかった。 路上生活者らしい、やせたモレーノ(白人と黒人の混血)がうんこをしていたのだ。僕が行った頃には、ちょうどし終わったところたしく、ガサコソ新聞でお尻を拭いているところであった。すれちがったおばさんが「カゴン(うんこたっれ)」とぼっそと吐き出した。 もうちょっと隠れてすれば良いのに・・・。うんこはそのままにしていくのだろうか? 犬のうんこでさえ拾っているのだから、もっと臭くて大きい人間のうんこはちゃんと処理して行ってもらいたい。などと思いながら前を通り過ぎた。長い間、路上生活者を続けている人は、だんだん恥ずかしいという意識が薄れていくようで、しばしば人通りがある路上脇で排便している姿を見かける。 ブラジルは公衆便所が非常に少ない。あってもたいてい有料であるから、路上生活者は木陰や、人目につきづらい所でするしかないのであろう。特にセントロの階段などの死角は人糞と小便まみれで、とても歩けたものではない。 僕なども、突然の腹痛から便意に急襲されたときは、ほとほと困ってしまう。1度、急に尿意に襲われ、日本人協会に駆け込んだことがあった。理由を話すと、そういう人が結構おおいのだろう、日本人の門番が渋ってなかなか入れてくれない。どうしようも我慢ができなくて、大声で頼むと、しぶしぶ使わせてくれた。治安上の問題もあるのだろうが、ドキュメントも掲示し、日本語で頼んでいるのだから、もうすこし融通を利かせてもらいたいものである。友人から聞いた話であるが、やはり便意に襲われた男性がリベルダーデのホテルに駆け込もうとしたら、入れてくれなかったそうである。彼はよっぽど腹がたったのであろう。邦字新聞にそのことを投書していたそうである。それを聞いて思わず笑ってしまったが、もし、同じ目にあったら投書をしないまでも腹は立てたと思う。 この間行ったセントロのショッピングセンターでは、便所が有料(1レアル=50円)で驚いた。多分、無料にすると、外からいろんな人間が入ってきて収拾がつかなくなるのだろう。サンパウロでは無料の公衆便所ができるのはちょっと無理そうである。
 | 公衆便所がほとんどないサンパウロでは便意や尿意に襲われると大変。路上生活者は便所の面でも不自由しているのではないだろうか |
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