11・13 徘徊写真 (2009/11/14)
今日は魚の買出しから始まり、朝からよく歩いた。久し振りにクタクタになってしまった。 いつものように写真を撮りながら、町を散策していると、最近知らぬ間に顔見知りになった聾唖の路上生活者の青年が、僕の肩を叩いた。モレーノ(黒人と白人の混血)の彼は、ノモっとした感じの青年で、路上生活者の青年特有の荒んだよどみは感じられないが、最初「アーアー」と声をかけられたときには驚いた。僕は、全然覚えがないのだが、彼はいたるところで、僕が写真を撮っている姿を見かけているようなのだ。この頃は、僕を見かけるたびに近寄ってきて、身振り手振りで懸命に何かを伝えようとする。今日は何かを撮れ、としきりに、身振り素振りで訴える。何を撮れと言いたいのか、最初はよくわからなかった。どうやらすうm先にいる、弾き語りのオジサンを撮れと言っているらしい。 この二人の弾き語りのおじさんも町で何回か見たことがあり、写真も既に撮っていた。しかし、どれもいまいちで、とても納得できる代物ではなかった。いつもは彼らを囲むように人の輪ができているのだが、今日は誰もいない。チャンスである。写真を撮っていいか、と聞くととあっさり許してくれた。 数枚、かなりの至近距離から撮り終えると、また再び先ほどの青年がなんか伝えようとしている。親指と人差し指をこするようなしぐさをみせる。どうやら、チップを彼らにあげてくれ、と言っているようだ。彼から言われるまでもなく、もちろん最初からチップは渡すつもりだった。2レアル札を、前においてあった小さな箱にいれる。角度を変えてさらに何枚か撮らせてもらい、その場を後にした。 別段依頼された仕事でもない人の写真を撮るのは難しい。それでも毎日街の写真を撮ることで、少しずつ大胆に厚かましくなり、カメラがすぐにカバンから出るようになった。今日はかなり納得のいく写真が撮れたと思う。ただ僕が撮影している場所はスリや強盗の多い場所なので、油断は禁物。いつも気を引き締めていなければ、と思っている。
 | パラナ(南ブラジル)から来た弾き語りのおじさん。右のおじさんは、結構怖い顔なので、写真は嫌がるかと思ったが、あっさり許してくれた。問題はチップ、やりすぎてもいけないし、少なすぎてもいけない。僕は、路上ミュージシャンや大道芸人に写真を撮らせてもらった時には2~5レアル渡すことにしている。 |
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