11・26 遭遇 (2009/11/27)
10年来お世話になっている知人とリベルダーデのバールでカフェを飲んでいると、外を向いてカフェを飲んでいた知人が「あれっ・・・、ちょっと見てください。びっくするから」というので振り返るが何も見えない。「何も変わったことはなさそうですけど」というと「Nさんですよ!Nさん」そういわれてまた見直すと、確かに200mほど先をNさんが歩いていた。 Nさんは10数年前にブラジル住んでいた人で、一緒に邦字雑誌社で働いていた関係である。当時50歳前半ほどだったと思う。独特な感性をもった人で、いろんなモノの見方を教えてもらった。僕にとってはお師匠さんみたいな人なのである。それが、突然日本に帰国することになりそれ以来会っていなかった。遠い噂で、永住権を失わないように2年に一度はブラジルに来ていたようであるが、僕が家を変わっていたこともあり何の連絡もなく、別れたっきりになっていた。 遠目に見るNさんは、昔に比べるとずいぶん痩せており、何となく寂しげな雰囲気が漂っていた。日本でいろいろ苦労したのかもしれない。追っていって声をかけようとしたが、コーヒーカップをカウンターにおこうと目を離した間に彼は消えてしまっていた。 なんとか彼と話したく思い、彼が立ち寄りそうな場所に僕の名刺を置き、もしNさんが来たら電話をかけてくれるように頼んだ。 話したいことが山ほどあったし、聞きたいこともあった。彼に会うことにより何かが変わるような気もする。何とか彼と会いたい。
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