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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2020/03/31)
1・4 超満員電車

1・4 超満員電車 (2010/01/05) 突然、空が真っ黒な雲に覆われたかと思うと大粒の雨が降り始め、激しい雷が鳴り始めた。慌てて、メトロの駅に駆け込み、セントロ行きの乗ろうと階段を下りると、電車が停まったままで、多くの乗車客が出発を待っていた。大雨で、アルメニア駅で問題が起きたようである。乗車率は70%といったところか。すぐ出発するだろうと思い、僕も乗り込んだ。しかし電車は20分待てども、30待てども電車は動かない。次々に客が乗り込んできてついに乗車率は90%を超えた。
 僕は運よく扉のすぐ脇のスペースを確保することができたので、幾分楽でまだ気持ちに余裕があった。客は次々に乗り込んできて、100%を超えても、身体をねじ込むようにして乗り込んでくる。それもなぜか、ころころ太った豆タンクのような女性が背中からオシクラマンジュウをするように乗り込んでくる。この込み具合を見れば、普通の人はためらうだろうに! やはり太った女性は、恥というものが少なくずうずうしいのだろうか? ついに数人の客がじれて、人を掻き分け下りていった。僕もどうしようかと、迷った。今なら簡単に下りることが可能である。別の路線に乗り替えて、バスを乗り継げば家に帰れないこともない。次の駅からは開く扉は逆になり、セ駅にいくまで、下りるのは困難になるだろう。どうしよう・・・。
 新しい客が乗り込んでくるたびに、大声で「まだ入ってくるの!」「まだ隙間はあるから」というような和気あいあいとした雰囲気が面白かった。無理やり乗り込んできた人も、身体の置き場が確保されると、言い訳のように、「このまま待ててもどうしようもないからね~」と誰に話すでもなく、体裁が悪そうニヤニヤしながら言っている。もう少し、この人たちと一緒にいてみよう、という気持ちが勝った。それが甘かった。
 電車は各駅に停まるごとに15分から20分も止まったままであった。人々の顔は汗だらけになり、中の空気は天井の扇風機が全開で回っているにもかかわらずムンムンとしていた。多くの人々の顔から余裕が少なくなり、笑顔が消えていた。僕のすぐ前にいた、鼻の横に大きなほくろがある、まるまると太った女性も気持ちが悪いのか、扉のガラスにもたれかかるようにしている。電車の中は、もう身体を動かすのもやっとな状態である
 余計な好奇心を出して、大変なことになってしまった。もう、セ駅に着くまでは下りることもできない。失敗したと、自分の判断を悔やんだ。電車が動きだすたびに人々は歓声をあげ、「扉を閉める邪魔をしないでください。電車が出発できません」とアナウンスが入るたびに罵声が飛んだ。
 やっとセ駅についたのは、1時間後であった。普通なら10分もかからないのに! 扉が開くと、人々は放たれたハトのように飛び出した。とにかく大変な1時間であった。


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