1・5 犬の注射 (2010/01/06)
かかりつけの台湾人の獣医から、「もう1年を過ぎてしまったから、狂犬病の飛ぼう注射を受けに来て」という電話があった。彼女の両親が中華料理屋を経営していたこともあり、彼女とはもう十数年前からの知り合いである。当時は、ぷくぷく太った、どちらかというとブスの部類に入る暗い感じの女の子であった。今では獣医となり、ブラジル人と結婚し1歳の娘までいる。自信が出来たのか、以前とはすっかり変わり、スッキリとした体つきになり表情も明るい大人の女性となった。多分、今の彼女を知っている人は、とても以前の彼女を想像できないだろう。 日差しが強くならないうちにと思い午前中に2匹を連れて、彼女の兄が経営するペットショップに出かけた。陽が高くなって歩くのは久しぶりなので、2匹とも少し興奮している。午前中とはいえ、夏の日差しは強い。汗をかきかき2キロ近い道のりを歩きやっとリベルダーデのはずれにあるショップについた。 何回か連れてきているが、今日は1年ぶりである。かすかに痛い思いでがあるのか、2匹ともキュンキュン泣いて興奮している。アズミは彼女に唸り声を発している。アズミが人に対して唸るのを初めてみたので少々驚いた。もし噛みついたりすると面倒になるので、注射台にいる間中、僕も一緒になって押さえつける。僕も病院は大嫌いであるが、犬たちも嫌いなのであろう。あっという間に1匹、2本の注射を終えた。軽く健康状態を見てもらうと、健康状態には問題がないようだが、2匹とも歯垢が溜まり歯が黒くなっている。「削らなきゃだめね。ドッグフード以外に何か食べさせていない?」と聞かれた。その時は、思い浮かばなかったが、後でよく考えてみれば、甘みも味も何もない、人間用のビスケットをたびたびやっていることを思い出した。多分あれがよくないのだろう。2匹で120レアル(6000円)を払い、家路についた。ちょっと痛い金額であるが1年に1回であるから仕方ない。 家に帰り着いた2匹は暑さでぐったりし、すぐ横になってしまった。ほとんど朝の散歩とは変わらない道のりであるが、暑さに負けてしまったようである。さっそく歯垢を削ろうとしたが、嫌がってなかなか言うとおりにさせない。犬用のビスケットでつって少しずつ馴らしていきしかなさそうである。
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