久しぶりにＫさんとお会いする。Ｋさんは地方に住んでおり、サンパウロに来るたびに連絡してくれる。 　つい最近も電話を頂いき、「仕事うまくいっている？」と聞かれたので「腹の立つことが一杯あるからやめようと思っています」と答えると「それは我儘だからよ」と理由も聞かずに決めつけられたことがあった。そのとき、あんたから我儘といわれたくない！　と思ってムッとしたものである。と、いうのは数居る友人、知人の中でも、Ｋさんはトップクラスの我儘人間であるからだ。僕は、我儘に生きることは決して悪いこととは思っていない。むしろ、我儘に生きられることはすごいことだと思っている。Ｋさんは６０歳を超えているのだが、ずっと同じ調子で子供のように我儘に生きてきた人なのだ。 　一緒にビールを飲んだために、ついつい今までＫさんに言われてムッとしたことなどを言ってしまった。自分の胸にしまっておこうと思っていたのに・・・。いつかは言うだろうな、とは思っていたことだからそういう時だったのだろう。しかし、僕の文句に近い話も、Ｋさんはニコニコしたり、確かにそうね、とうなずいて聞いてくれた。自分より２０歳ほども年上の方に随分失礼なことを言ったものだ、と深く反省。でも、貯めたままだと、近いうちに会いたくなくなっていただろう。そういう意味でも話を聞いて頂いて良かったと思う。

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