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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2020/10/22)
6・22コミュニダーデ [画像を表示]

6・22コミュニダーデ (2010/06/24) 3か月ぶりにコミュニダーデ(=ファヴェーラ=貧民街、最近はニュースなどではファベーラとはいわない)に行く。バスで行く途中、車窓から見る風景はブラジルのシンボル色、緑と黄色、そして国旗があふれていた。
「この辺の人はサッカーが一番の楽しみなの。みんなでお金を出し合って飾り付けするのよ。W杯のブラジルが試合の日は、ビールをのんで騒ぐから、危なくて外に出れないわね」貧しい人たちのボランティアを長年続けているヨランダさんがいう。普段は1レアル(50円)でもお金を出し渋る人たちが、お金をだしてまで、飾り付けをするのが信じられなかった。セントロ以上に熱い雰囲気に戸惑った。
 今日行くコミュニダーデは2回目。今まで行っていたところと異なり、雰囲気が暗く、20代前後の若い男たちがウロウロしている。かなり気を使いながら写真を撮る。今までの所は、皆もう僕のことを覚えてくれていて気軽に写真をとらせてくれたが、ここはそうはいかない。見慣れぬ僕を見て、何をしているんだ、という感じで見る人が多い。今日はできるだけ写真を控えることにする。
 この辺は雨が降るとすぐ河川が氾濫しやすい場所で、市に危険地域に指定され、住民たちは立ち退きを迫られているらしい。いくばくかの保障はされるとのことであった。
 満足に生活するお金のない人たちの家に、食料品を持って家庭訪問をする。精神や身体に問題のある子供たちがいる家庭が多い。「近縁者同士が結婚したり、関係をもったりするんで、問題がある子が多いんでしょうね」ヨランダさんはいう。決して同じ問題ではないが、北伯の貧しい家庭で16年間父親が娘を強姦し、子供が7人できてしまった事件が先日ニュースで流されていた。もちろん親と子供の関係というのは、倫理に反した犯罪である。ブラジルの人はセックスに関して寛容ななだけに、知識の少ない貧しい人たちはあまり考えずに近縁者どうしで関係を持ったり、結婚したりするケースが多いようである。一般に貧しい人たちは東北伯からの出稼ぎが多く、一人がいつくと家族や親せきを呼び寄せる事が多く、話しをすると周辺中に親戚が住んでいるというパターンが多い。どうしても接する機会が多い、親戚同士の結婚などが自然増えるのであろう。
 伺った小屋には、8歳になるという少女がベッドで寝ていた。
「小さくてとても8歳には見えないでしょう。ご飯もまともに食べられないからいまだに哺乳器だよ。トイレにも行けないから、おしめだしね」
それほど強くは臭わないが、小便臭のする薄暗い小屋の中で、皺が深い疲れた顔をした、褐色の肌の老人が嘆いた。この老人も足を患い、ほとんど歩けない状態らしい。小屋に入る前から写真は撮らないで、と言われていた。写真を撮らせてくれと頼んでもないのに何でそんなことをいうのかと思っていたが彼女を見て納得した。
 暗闇の中でヨランダさんの顔が引き締まった。なんとしてでも援助してあげよう、という強い意志が感じられた。困っている人を見ると助けずにはいられない人なのである。もう70歳近い方なのであるが、自分のことよりも何よりも貧しい人を助けるためにいつも東奔西走している。「ボランティアが趣味みたいなものよ」そう言っていつも彼女は笑う。
 写真は思うようには撮れなかったが、いろんな意味で収穫の多い1日であった。少しずつ時間をかけて信頼を得てから撮らせてもらおう、そう思っている。

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 洗濯モノが多いのはどこのコミュニダーデも同じ


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