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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2020/09/20)
7・24 バカ犬 [画像を表示]

7・24 バカ犬 (2010/07/24) 今日は昨日まで続いた、爽快な晴天から一転して薄曇りである。そのせいか、なかなか夜が明けず薄暗い。
 いつものようにまだ薄暗い朝6時にアパートを出ると、向かいから小型犬がトットコ向かってくる。野良犬なのか、飼い犬なのか解らない。後ろから大柄なおじさんがゆっくり歩いてきているから、彼が飼い主かもしれない。その犬がうちの犬に向かってくるのに、まったく気にする様子もなく、道を曲がって行った。その犬は、うちの犬に軽くちょっかいを掛けた後、男の後を追って道を曲がった。おそらく彼の犬だったのだろう。ちゃんとつないで散歩しろ!
 今日は、なんか幸先が悪いなと思いながら、リベルダーデに差し掛かる。今日から七夕祭りで、広場を中心に巨大なボンボリで飾り付けされている。いつもは、もっとも盛大に飾り付けされるメイン通りのガルボン通りに飾り付けされていないではないか。これから飾り付けするのであろうか? 他の所は飾り付けされているのにここだけされてないので、もう飾り付けはされないのであろう。それにしても、寂れてしまったものだ。金もうけをするための屋台のテントばかり増えている。中国人が中心になって行われる旧正月の祭りが年を重ねるにつれ、盛大になっているのに、方や日系のお祭りは衰退していくばかり、情けない限りである。母国の状態がそのまま反映されている。
 そんなことを思いながら、人通りの少ないリベルダーデ大通りの橋を渡っていると、2人の14、15歳のストリートチルドレンが向かってくる。なんとなく危ないな、と感じた。
 案の定、すれ違う時に「ジャポネース、1レアルくれよ!」とお金をせびってきた。「ないよ」と言い放ち、そのまま歩いていくと、ニタニタ笑いを浮かべながら一人は僕の横に並ぶようにして、もう一人は後ろに回り込み、後をつけてくる。
 一瞬、さっと冷たい風が僕の顔をなぞったような感じがした。顔から血の気が引いていくのが解る。それは決して、恐怖からではない。むしろ、戦闘態勢に入っていく自分を感じた。普段だったら、逆にカッとして頭に血が上り逆に動けない。以前、強盗に会ったとき。カッとして怒りから身体が動かなかったことがある。今日はむしろ逆である。
 散歩中にはノラ犬が向かってくるときがしばしばあった。多い時は、4匹くらいのノラ犬が群れになって向かってきた。それを撃退するためにカメラの1脚をビニールに入れ解らないようにして、散歩をするときには常に持ち歩いていた。この1脚で殴ったら、半端でない衝撃をうけるだろう。最近ノラ犬がいなくなっていたので、今日は持っていこうか迷った。それでも、「何かあったら」と思いなおし持ってきていたのだ。
 ちょっと歩く速度をあげると、彼らも速度をあげてハイエナのように追いかけてきた。一瞬、1脚を持っている左腕を腰のあたりまで振りあげると、横の男がさっと飛び退いた。それにつられ後ろの男も退いた。「きちがい! ジャポネース」と驚いたような声を上げる。僕の殺気を感じたのだろう。普通だったら、ビニール袋を持ち上げたようにしか見えないはずであるから。もし男が向かってきていたら、力を抜くことなく本気で打つもりであった。
 しかし、その間、犬たちは、男たちに吠えかかるでもなく、向かっていくでもなく、主人の窮地を見ているだけであった。ピットブルがかかってきても、大きな犬がかかってきても、いつも追い払ってやっていたのに、その恩を忘れて何にも反応しない。少しは主人の危機を察知しろ! と言いたい。まったく役に立たない情けない犬どもである。
 アパートに上がるエレベーターの中で悪態をつく僕を、シュンとした様子で犬たちは見ていた。

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昨日の夜には飾り付けがされていた。写真ではそれほどでもないが、実際はもっと寂れている。主催者にしてみれば、日本の企業からの寄付も減り、大変なのだろうが・・・


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