8・4 犯罪と子供 (2010/08/05)
最近犯罪が増えたような気がする。町を歩くと、特にセントロはストリートチルドレンが確実に増えた。何もしなければ別に問題ないのだが、彼らはクラック(麻薬)欲しさに、ひったくりをしたり、通行人にお金を強要したりする。それも数人でピラニアのように来るからタチが悪い。中には拳銃や刃物を持っている少年もいるので危ないことこの上ない。 ブラジルでは16歳(多分)までの少年は少年法に守られている。もし彼らに襲われ、身を守るために反撃して彼らに暴力を振るうと、襲われた方が逆に罪を問われてしまう。ずる賢い少年はそのことを知っており、それを盾に来る奴もいるという。さらに、悪い大人の中には子供を使って犯罪をする奴もいるらしい。子供だったら何をしてもいいのか、大人は身を守ることさえ許されないのか、ということになる。少年といえども、犯罪は犯罪である、過度の保護は許されるべきではないと思う。 一度、ストリートチルドレンを取材したことがある。彼らのほとんどは身を守るためにグループで行動している。そのリーダー格の少年が言葉が印象的であった。 「俺たちは将来になんの希望もないよ。大人になるまでに死んでしまうだろう。だから、その日その日を楽しく生きていければいいんだ。風みたいな存在なんだ」 こんな子供たちを生み出した社会が悪い、大人が悪い、子供には罪はない、というのも解るし、その通りであると思う。しかし、自分や家族の安全さえも守れない社会、町を歩くだけでストレスがたまる社会には明るい未来はない。社会からはじきだされた子供たちを厚生し、ここまで膨れ上がった社会問題を解決することは容易なことではない。
 | セントロの広場で演劇を見る人々。 文化的な催しが多いのはサンパウロのひとつの魅力であるが、犯罪の増加でますます住みづらくなってきた |
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