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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2020/04/09)
8・7 貧しい人々の特権意識 [画像を表示]

8・7 貧しい人々の特権意識 (2010/08/08) 最近の車やバス、メトロのラッシュはすごい。以前は出勤時間などの、ほぼ限定された時間だけであったのが、時間に関係なくラッシュになっている。これほどの人間が一挙に狭い空間に集まると、摩擦も増え、いざこざをよく見かける。
「すみません、ちょっと寄ってもらえますか。次でおりたいんで」
 身なりのきちんとした紳士風の男性が、幾分冷たいトゲのあるような声で、いかにもファベーラ(貧民街)から出てきたと言った感じの、ビーチサンダル履きの女性に言った。その女性は、男性の言い方にむっとしたのか、「何よアンタ! こっちも人が一杯でなかなか動けないのよ!」と言い返した。それでもバスが停留所に止まると、男性はなんとか女性をかわしてバスを下りた。しかし、よっぽど腹が立ったのか降りる瞬間に「おまえが邪魔で皆迷惑しているじゃないか!」と捨て台詞を残して降り去った。
 女性も負けていない。「何言ってんのよ! 何も邪魔なんかしてないわよ。このトンチンカン!!」と言い返す。彼女には5,6歳の女の子がいた。女の子は全く臆することなく、母親の加勢をして「バーカ!!」と男性に向かって叫んだ。
 いくら短気の僕でも、子供の前では人と喧嘩をしたりしたくない。娘は母親のそうした態度に慣れっこの感じで、全く平気な様子で、人ごみのなかで出口近くの手すりにぶら下がって遊び始めた。この光景を見てちょっと驚いた。周囲の人は皆白い目で彼女を見ている。そんな周囲に反発するかのように、母親は、それからなおも4,5分、周囲にゴミをまきちらすかのように、その男に対して悪態をついた。
 見苦しかった。別に、男との言いあいだけで終わっていれば何も感じなかったと思うが、結構おおきな声で長々と悪態をつくのを聞いて気分が悪くなった。彼女の気持ちも解らないではないが、自分は貧しいから何を言っても、してもいい、恥ずかしくない。金持ちの特権意識の逆バージョンが垣間見える。
 そう、ブラジルでは貧乏ということが、ある意味、特権的な部分がある。貧しい人は、交通事故を起こしても、少々問題を起こしても平気である。なぜなら、問題を起こした貧しい人にお金を請求しても、払ってもらえることはまずなく、時間がかかるばかりで、請求のために起こした裁判でお金を使うのがオチであるから、ほとんどの人は仕方がない、運が悪かったですましてしまう。
 結局いつも泣かされるのは、貧乏でもなく、金持ちでもない、中流の人々なのである 

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 選挙がちかくなり、いろんなところで選挙運動がはじまった。リベルダーデにきていた大統領候補のセーラにたまたま出くわした。テレビ、新聞などのマスコミ関係者の人だかりが凄い。
 この時期になると票を集めるために、貧しい人々にアパートや病院をたてたり、食料の配給をしたり、さまざまな事が行われる。
 こうした援助をよく行っている現ルーラ大統領は貧しい人々に圧倒的な支持を受けている

 


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