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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
10・30 ブラジル人の意気込み

10・30 ブラジル人の意気込み (2010/10/31) 34回目のサンパウロ映画祭に出品した、日本映画「キャタピラー」を見に、息子を少林寺拳法に連れて行った帰りにいく。
 パウリスタ大通りにある、メイン映画館は映画祭一色にそまっていた。投票場などが仮設され、その盛り上がりに少々驚かされる。映画祭の分厚い映画説明の本をもった人や、日程表を持った人があちらこちらにいる。ちょっと嫌な予感。もしかしたら、映画館は人でいっぱいなのでは・・・・。時間はすでに開場の15時半になる。
 慌てて、チケット売り場にいくと、案の定、満杯の張り紙が。小雨の降る中をわざわざメトロに乗ってきているので、このまま見ずに帰るのは嫌だった。
 サンパウロは、さすが南米1の大都市だけあって映画、演劇、絵画展、写真展、ショウ、講演会など世界的なレベルの文化的な催しがしょっちゅう行われている。が、新聞などに発表されると、怒涛のごとく人々が押し寄せて、鑑賞するのは非常に困難である。こういうことにかけてのブラジル人の意気込みはたいしたもので、日常的な約束事にはなかなか時間通りやってこないのに、開場の1時間、2時間前から列を作って待つ。自分の楽しみのことになるともう意気込みが違うのだ。
「もう入れないの?」チケット売りの目のクリッとしたなかなかかわいいモレーナ(黒人と白人の混血女性)に尋ねると、「席はいっぱいだけど、もし、硬い床に座って耐える気があるんだったらチケットは売りますよ」
 ラッキー、やっぱりダメもと聞いてみてよかった。最近、消防法などがうるさいサンパウロでは、可能収容人数以上の収容は禁止されているはずである。たぶん、張り紙が利いて、ほとんどそれ以上に入場したいという人がいなかったのだろう。
「それでいい。それでいい!」すぐチケットを購入した。
 開場の席はびっしり人で埋まっていたが、床に座っているのは、2,3見えるだけで、ほとんどいなかった。一番後ろの壁にもたれて見ることにする。
映画の内容はかなりショッキングな内容のものであったが、以前、矢崎守の漫画でも似たようなストーリーのモノを読んでいたので、さほど強烈な印象を受けなかった。
 土曜日ということもあるだろうが、あまりにたくさんの人が来ていたので、ちょっと映画祭の、他の作品を見にいく気力が失せてしまった。しかし、これらの困難(困難というほどでもないが)を越えて、見ることによって、より大きな感動が生まれるのかもしれない。ブラジル人を見習わなくては! いや、ブラジル人に勝たなくては!


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