11・28 センテット (2010/11/28)
「まったく恥知らずだよ」 セン・テット(家なし住民)の方を苦々しい顔でみながら、門番がいった。 僕が、旅行に出る前は、前の公園に陣取っていたセンテットの人々は、市役所の前に陣取って、ビニールで仮設のテントを作っていた。その数300人あまり。やはり、一般人から見れば、ただでアパートをもらおうなんて、虫のよい話ににしか見えないのである。 今のブラジルはバブル状態で、不動産の価格は跳ね上がり、つい数年前の2、3倍にまでなってしまった。とても一般人の買える値段ではない。 たぶん、占拠しようとしている建物は、税金の未払いで差し押さえられたり、所有者がはっきりしない建物で今では誰も住んでいないモノ、と思われる。こうした活動には、往々にして政治的要素が含まれている。 彼らが路上で生活し始めてかれこれ3週間ほど。いかにも路上生活者らしき人もいるが、中には普通の人らしき人も見える。この機に乗じて、うまくアパートを自分のモノにしようと、参加している人もいるのであろう。アパートが、もしも、引き渡されることにもなれば、きっとこの集団は倍増するだろう。 いつまで、この状態が続くのか解らないが、市とセンテットのまさに根競べである。
 | 市役所を囲むように作られた、超簡易テント。抗議運動をする人の身なりからして、ちゃんと住む所はある人たちのようだ。たぶん、運よくアパートがもらえれば、ラッキーと思って参加している人もかなりたくさんいるだろう。 統制が取れているのか、歩行者に迷惑をかけたり、物乞いをしたりするのを見たのは一度きりであった。 |
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