2・13 強盗団 (2011/02/13)
「やられたのは、うちの建物だよ」 あっけらかんとした返事が返ってきた。まるで自分の住むアパートの建物ではないかのような言い方である。いかにもこの人らしい。 先日、強盗団がリベルダーデにあるアパートの建物を襲った。箪笥預金で現金をいつも持っている中国人が軒並み襲われたらしい。 「うちの建物には日本人も多いけど、ほとんど襲われていないから、中に住んでいる者の手引きだろうね。うちのような安アパートに住む中国人なんかお金を持っているなんて言ってもたかが知れているから、情報を流した奴が大げさに吹いたんだろうね」 と彼は冷静に分析を語る。 以前にも強盗が中国人の家に入り、お金を言う通りださないと暴力を振るわれるという事件が続いたことがあった。これも、中国人が現金を持っているから、という理由で狙い撃ちされたものだった。 「この間、アパートが襲われて、中国人の客がピタッと来なくなったよ。たぶん、今は夜出ないようにしているんだろうね」と日本食レストランの親父が言っていた。 一時期、出稼ぎ帰りの日本人がよく狙われていたが、そんな話は遠い昔で最近は全然きかなくなった。泥棒も今は日本がダメなことをよく知っているのである。 僕の住む建物は、ほとんどお金持ちも中国人もいないから強盗団に襲われることはないだろうが、中に住む人間がいつ泥棒に変身するかわからない。最近は必ず2個の鍵をして外出するように心がけている。
 | 景気がよくなっているとはいうが、治安は一向によくなった感じはない |
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