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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
6・17 こんな日も [画像を表示]

6・17 こんな日も (2011/06/17) メルカードに毎週通うようになってそろそろ1年になる。毎回行く店もほぼ、決まり、すっかり顔なじみになってきた。
 2軒の魚屋、肉屋、酒屋、バール(軽食屋)。2軒の魚屋は日系人のお店なので随分前から、端数のお金は切り捨ていつも安くしてくれていた。今日肉屋に行って、普段買う2キロの牛肉の他にネルボ(牛筋)を買いたくなった。と言っても、食べるのは僕だけであるからほんの少しあれば十分である。「少なくて悪いんだけど200グラムちょうだい」というとニコニコ笑いながら「いいよ、いいよ」と言っておまけしてくれた。牛筋なんて買うのは中国人か日本人くらいしかいないから安いモノである。しかし、当然、お金を払うつもりだっただけに、彼の気持ちは嬉しかった。
 今日は最近海が荒れていていい魚がなかった。その分荷物も軽く、ワインを買う気になった。酒屋で、いつもワインを選んでもらうモレーノ(黒人と白人の混血)の売り子に、おいしくて安いワインを聞くと、アルゼンチン産の17レアル(850円)のワインを選んでくれた。あんまり安いので「本当においしい?」聞きなおしたほどである。念のために、今まで飲んで味がしっかりしていることがわかっているチリ産のワインエミリアを足し、レジに行くと、モレーノが気を利かしてくれて、3レル値引きしてくれた。わずかな金額だが、嬉しかった。思わず、安いアルゼンチン産のワインをもう1本、計3本も買ってしまった。
 最後にバールに入ると、僕を顔を見るなりガルソンが「カウドとカフェ・コン・レイチ(ミルクコーヒー)ね」と僕が何も言わないのに、ニッコリ笑って注文を通してくれた。僕は、いつもこの店でこの2つを注文するのである。もうすっかり顔なじみになりそれを覚えてくれていたのだ。僕は無愛想な人間なので、仕事以外、興味深いことがないかぎりほとんど話したりしない。それだけに、妙に嬉しかった。
 今日は、ニヤリとしてしまう嬉しいことが続いた。こんな日もあるものなのだ。たぶん、普段、もう少し愛想よくすれば、いいのだろうと思うがなかなかできない。素直になれない自分を感じた日でもあった。

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親指の2周りも大きなイチゴ。最近、日本の果物以上に立派な野菜や果物が増えてきた


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