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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2020/07/09)
8・9ケチャップ泥棒

8・9ケチャップ泥棒 (2011/08/09) いつものように、セ広場で軽く写真を撮って、ジョンメンデス広場の交差点で、信号を変わるのを待っていた。
 と、突然、サングラスをかけたきちんとした身なりの黒人が「うんこだ。汚いよ!」と言って、僕のカバンをさした。見ると、茶色い液状の物体が、カバンに振りまいたようにポツポツとついていた。しかし、臭いからするとうんこでなくてチョコレートだ。そういえば、瞬間、冷たいモノが身体にも触れたような気がした。たぶん、背中の方にも、この液状の物体がついているのだろう。
 注意してくれた男がちり紙を出して、拭いてくれようとする。そして、すぐ後ろにある本屋の方をさしながら、あっちに行ってきれいにしようととしきりに言う。「うんこだ」と言った瞬間、この男がカバンを狙った泥棒だということは解っていた。本屋できれいにしようということで、完全に泥棒だと確信した。
 一瞬、この男について行く振りをして、なんとか警察に引き渡そうか、と考えた。しかし、この手のコソ泥はたいてい、2,3人で動く。一人の男が狙った人間が持っている荷物を手から離させ、他に気を引いているうちに、他の男が荷物を盗むのだ。よく、ペルーやボリビアで流行った手である。もっとも、あちらは、ケチャップやマスタードを振りかけてたのでケチャップ泥棒と呼ばれていた。
 うまくやって、ひと泡吹かせれば、さぞかし爽快だろう。が、一歩間違えば、大事なカメラを失うリスクもある。ばれたことに居直って、暴力的に盗んでいくかもしれない。結局、一番安全策をとってその場を離れることにした。
 「もういいから」と言って男を振り切った。と、思ったが、横断歩道を渡っても、まだ、こちっちに来い、合図している。ばれたと思わないのだろうか? 
 以前にも、うちの近くで同じような泥棒にあったことがあった。その時は、バックパッカー用の大きなリュックサックを担いでいた。男に誘われるままに近くのバールで、荷物をおろし、2言,3言、話しながら、ふと荷物を見ると、大きな手が、荷物をひっつかもうとする瞬間であった。慌てて、荷物を自分の方に引き寄せた。その後、話していた男を見ると、その男も消えていた。
 このような経験があったから、難を逃れることができたが、言いかえれば、それだけ人間がすれてしまったといえるのかもしれない。僕の頭の中には親切すぎる奴には、気をつけろ! という注意事項がすっかり刷り込まれてしまっているのだ。
 ブラジル人の中には、なんの悪気もなしに親切すぎるほど親切な人もたくさんいる。しょうがないことだと思うが、そういった人たちにも、疑いの目を向けてしまうようになっいる自分が少しさ寂しい。
 


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