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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2020/07/08)
3・30 火事 [画像を表示]

3・30 火事 (2011/08/31) 生暖かい春の陽気でリベルダーデのすずらん灯は羽蟻が群がっていた。日が暮れたばかりの薄暗い家路を急いでいると、消防車やパトカーが道一杯に停まり慌しい。どこかでボヤでもあったのかと思いながら、さらに進むと古い建物から炎があがっていた。
 その赤い炎は火の粉を巻き上げながら、どんどん大きくなっていく。周辺は携帯電話で撮影をする野次馬で一杯である。3車線の道を隔てた所でも熱く感じる。こんな大きな火事を見たのは、初めてのことかもしれない。刀を鍛える竈の炎のように激しく燃え盛る炎に、すっかり魅了されてしまった。火事に狂う話、病み付きなる話を何かで読んだことがあるが、その気持ちがほんの少し解ったような気がした。しかし、これは人の家の火事だからこんなことを思えるが、もし自分のアパートだったらと思うとぞっとする。そう思うとそれ以上見る気がしなくなり、人ごみを抜けて帰り道に戻った。
 江戸時代に、恋に狂って火付けをした「八百屋お七」のことを思い出しながら、街灯にぼんやり照らされた道を歩いていると、小さな子供を抱いた若い女性と年配の女性が鳴きながら僕を追い抜いて行った。
「アア! ミア カーザ。ケイモウ ツーヅ(私の家が燃えちゃう。すべて燃えちゃう)」どうやら、彼女たちは燃えている家の住人らしい。抱いた子供を何度も落としそうになりながら走っていく。そんな姿が街灯で影絵のようになり、いっそう哀れに感じてしまった。

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