11・4 親の気持ち (2011/11/05)
息子が修学旅行から帰ってきた。僕がブラジルに着く直前に出ていたので会うのはほぼ1ヶ月ぶりである。 会うなり「もらったお金は全部使わなかったよ。50レアルのこしたよ」と自慢げに言う。別に、全部使っても僕としては良かったのだが・・・・。普段、無駄遣いをするな、と言っていたせいだろうか。僕としては、旅行のためにためておけ、といったつもりだったのだが・・・。 彼はこの旅行を非常に楽しみにしていた。旅費が結構高かったので、「日本に行っても何も買ってこないよ。それでもいいか」と聞くと、「それでもいいから旅行に行きたい」と言うので旅費は1年、分割払いでやっと払った。 高校時代、僕は当然の事として修学旅行に行ったのだが、母はこのお金を捻出するのに大変だっただろうと思う。うちは裕福な家庭ではなかったし、それにも関わらず私立の進学校に通わせてもらったていた。僕が、高校、大学進学するにあたって、親類の叔母さんから援助してもらっていた、ということを知ったのは、母や叔母が亡くなってから随分後になってであった。親の気持ち子しらず、というのはまさに僕のような人間をいうのだろう。今やっと親の気持ちが少し解るようになった。 息子に何も買わないよ、と言ったものの、バレーシューズやズボン、ゲームソフトを買ってきていた。僕は決して子煩悩な人間ではないので、本当に何も買わないつもりでいた。それが、ついつい買ってしまったのだ。彼が喜ぶ顔を思い浮かべると買わずにいられなかったのだ。こんな時、自分が親なのだ、と感じずにはいられないかった。ほとんど親らしいことをしていない僕でもこんな気持ちになることに自分自信驚きを覚えた。
 | 幼い頃の息子。あっという間の大きくなり、幼い頃の彼を知っている人は、道で彼にあっても誰かわからないであろう |
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