11・14 ワイングラス (2011/11/15)
南伯のブルメナウで買ったワイングラスでワインを飲む。これがなかなかいけるのである。 ブルメナウで地酒ビールを飲んだときに、薄々のグラスの唇あたりが心地よく、地酒ビールがよりおいしく感じられた。意外であった。それこそ目から鱗である。これまで、僕は飲み物でも食べ物でも、そのものがおいしければ、器やコップは全く関係ないと思っていた。食器やコップの視感や触感がこんなに影響するなんて思ってもみなかった。 ブルメナウはドイツ移民の町として知られ、以前は黒人などの有色人種が町に入ってくると、バス代を渡して、帰してしまった、といわれるほど白人意識が強い町であったらしい。今は他人種の流入がどんどん進み混血も進んでいるという。それでも、現在も町行く人は白い肌に金髪、青い目という人が多く、若い女性が通り過ぎると、思わず目が吸いつけられてしまうほど金髪美人が多い。 ドイツからの技術で、良質のガラス製品が作られている。工場の取材をする予定だったのだが、閉まっていたので急遽近くのガラス用品店に入ると、かなり安い値段で売っているではないか。産地といえども、あまりの安さに驚いて理由を尋ねると、2,3級品やアウトレット製品だからだという。手にとって良く見ると、数ミリの小さな気泡があったりする。 しかし、僕にとってはこの安さがありがたかった。自分で使うのだから、3ミリ程度の小さな気泡があっても僕には全く関係ないのだから。7レアル(約300円)の棚から2つのワイングラスを選んだ。地酒ビールを飲んだグラス同様に薄々である。わずか7レアルのグラス2つなのに、しっかりしたダンボールの箱に入れてくれたのもうれしくなった。さすがドイツ人! サンパウロなどの店だったら、新聞紙で包んでビニール袋に入れておしまいだったろう。 旅行中、このワイングラスで飲むのがずっと楽しみであった。ほとんどまともな食器もない僕の家には、掃き溜めに鶴的な存在であった。友人にもらったとっておきのアルゼンチンワインをあけて注ぐ。ほんのり甘く、ボディもそこそこに、うまい。ワインのうまさもさることながら、うすうすのグラスの唇に当たる触感が心地よい。 今まで、一番安い普通以下のコップで飲んでいただけに、グラスがいかにワインを際立たせるかが今回よく解った。
 | 今回買ったワイングラス。写真を撮る場所を探したが今の僕のアパートにはないことに気がついた。頑張ってそうじしよう。 |
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