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     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
11・21 素人とプロ

11・21 素人とプロ (2011/11/22) 日系移民の歴史の中で、映画化されたり最近スポットがしばしばあたる「勝ち組、負け組み」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8B%9D%E3%81%A1%E7%B5%84  のドキュメンタリー、闇の1日(マリオ・ジュン・オクハラ監督)がシンポジュウムの後に文化協会で上映されるというので行った。はじまりは8時という遅いものだったが、日系コロニアの歴史にはまったく疎いので少しは知らなくてはという気持ちが強く働き、行くことに決めた。
 前半部は3人の日本人にブラジル日系移民の歴史を語らせ、それをツギハギにつないでいく。あまりにつぎはぎ、つぎはぎなので見ずらい。それでも移民の歴史はよくわかった。ただ3人の中で一番若い日本人が、ポルトガル語を混ぜたいわゆるコロニア語で喋るのが聞き苦しかった。多分、日系ブラジル人が作り、ブラジル人に見せることを意識してだとは思うが、ポ語の字幕がでるのだからちゃんとした日本語で話して欲しかった。ずっと歳を取った2人が意外にちゃんとした日本語だったので余計そう思ったのかもしれない。
 ブラジル移民の歴史から「勝ち組負け組み」の話に入りかけたあたりから、しばしば映像が中断しはじめ、ついにはメモリーの少ないコンピューターで見るビデオのように止まっては動き止っては動き状態になってしまった。3分、5分、説明がないまま時間が過ぎていく。やっと説明があったが、ポ語で「機械の調子が悪いので少しお待ちください」とのアナウンスが入るが、日本語では「ちょっとお待ちください」だけ。あまりのお粗末なアナウンスにがっかりしてしまった。この人はコロニアでは一応プロのアナウンサーのはずだが・・・。
 あと10分だけ待とう、と思い待ってると、9分たったところで上映が開催された。しかし、15分過ぎたところで急にノイズが入り始め、再び止まってしまった。あ~!! 不慮のアクシデントで一番辛いのは監督だとわかるが、なぜ監督自らが舞台に出て一言謝らない。8割以上の人は残っていたが、ついにこらえ切れなくなり帰ることに決めた。
 入り口のところで、日本人の老夫婦と一緒になった。おじいちゃんは杖の助けを借りて階段をおりながら、「こんなもの見てもしょうがないよ!」とおばあちゃんに吐き捨てるように言っているのが聞こえた。
 不慮のアクシデントはどんなときにも起こる。仕方がないことだと思う。しかし、それを最小限に止めてできるだけ「お客さん」に満足してもらうのがプロだと思う。それが、無料であっても。そういう意味においてシンポジュウムの関係者と映画関係の人間はとてもプロとはいえない。


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