12・24 クリスマス前日のセントロ (2011/12/25)
ブラジルではクリスマスは最も重要な行事で、家族と過ごすのが一般的である。故郷に帰るのも、正月よりはクリスマス。セントロも今日は人通りがパタリと少なくなっている。そんな殺風景なセントロを写真にとっておこうと思い、さあー出かけよう、というときに彼女から電話がかかってきた。 「今日、刑務所の囚人が2300人、クリスマスの恩赦で解放されるから、外に出ないようにした方がいいわよ!」 毎年クリスマス前には囚人が解放される。期間が終わっても、多く囚人が戻ってこず、犯罪を重ねる囚人も多いらしい。なぜ、こんな無謀なことをするのだろうと、毎年思う。ブラジルでは、変な所で、人権について異常にうるさい。例えば、自分より大きなストリートチルドレンが襲ってきて防衛のために子供を傷つけたり、殴ったりしても捕まってしまうし、人種の差別発言で訴えられれば、たいてい負けてしまう。この恩赦も、囚人の人権を考えてのことらしいが、テレビのニュースなどでも気をつけて、という程なのにこんな恩赦を許可する必要があるのだろうか? 一瞬迷ったが、まさかこんなまっ昼間に襲われることもないだろう。セントロを歩いてみたい気持ちが勝った。セントロは随分人が少なかった。それでも、危ない、と思えるほどでもなく、多くの人がクリスマスプレゼントを買い求めていた。普段はあまり目につかない、ボリビア人やペルー人、エクアドル人のインディオ系家族が多っかた。最近のレアル高で出稼ぎに来ている人たちだ。こうした人々が、ブラジル人らしき人々とカップルになったり、歩いたりしているのを見たことがない。東洋人以上にブラジル人との交わりはすくないようである。 セ広場では、路上生活者の人々に舞台を作ってコンサートを行っていた。半分酔っ払ったようなボロボロの人々が舞台前で気炎を上げていた。 彼女と息子は、実家に帰り、今年もまた一人で年末を迎えることになるが、こんな年末にも、すっかり慣れてしまった。
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