12・26 来年の正月も・・ (2011/12/27)
クリスマスあたりから、徐々にサンパウロの人や車が少なくなってきた。お金持ちは海外やリゾート地に、故郷のある人は実家に帰り始めたのだ。セントロを歩いても、ぎっしり詰まったとうもろこしの実が抜けたようなスースーした感じがする。人が少なくなると、気持ちがいいのだが、戻る所がある人たちが妙に羨ましくなる。 大学時代に北海道から高知まで、列車やフェリーを乗り継いで帰郷していたことを思い出す。妙にウキウキしたものだ。日本海側を走る「特急白鳥」は今もあるのだろうか。僕が大学時代に、青函連絡船も宇高連絡線もなくなってしまったから、この列車も無くなっているかもしれない。 最近は、ブラジルも航空運賃がぐっと下がり安くなった。深夜便はバス代とほとんど変わらない。何度か乗ったことがあるが、乗る人々はバスの乗客そのもので、バス旅行をしているような気分になった。飛行機に乗る層といえば、お金持ちという感覚だっただけに、最初に乗ったときには随分驚いたものだ。流れてくる荷物を待っていると、驚くほどたくさんの荷物を運ぶ人々を見て、こりゃ、やっぱりバスそのもだ、と実感した。 息子と彼女も、バスの深夜便で彼女の実家に帰って行った。今年も侘しい独り正月になると思うと、なんとなく少し気が重くなるが、そんな正月がここ数年続き、すっかり慣れてしまった。犬たちも、亀も魚たちもいるし、決して独りではないのだから。
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