2・27 焼きソバ (2012/02/28)
7,8年前に路上での焼きソバ売りが大当たりしたことがあった。安くて、おいしくて? 量も多くて、と3拍子揃った焼きソバは一挙にブラジル人たちの間に浸透した。特にリベルダーデ広場で、30代の中国女性の売る焼きソバには長い行列ができた。彼女はどんどん大きくしていって、テントで売るほどになっていた。当然のごとく警察に目をつけられ、2,3回警察の手入れを受けたのではないだろうか。それでも彼女はめげずブラジル人の従業員を手足のように使い売りに売っていた。この頃になると、焼きソバは売れると知ったブラジル人たちも、見よう見まねで焼きソバ屋台を引いて焼きそばを売るようになった。パウリスタ通りからセントロまでいたるところで、中華なべを振るう焼きソバ売りがみられたものである。 あるとき、リベルダーデの中国女性の姉御がふっと消えた。それを堺にして町中の焼きソバ売りが消えていったような気がする。その頃、警察の手入れが厳しくなったせいかもしれない。今ではこの姉御はセントロで小さな店を構えて焼きソバを売っている。 今日、セントロを歩いていると暮れかかるビルディング街の通りの片隅で派手に火の手があがるガスコンロで、中国鍋をふるって焼きソバを作る、大陸からきたらしい中国女性をみかけた.屋台の前には数人のブラジル人がならびじっと彼女が作っている様子を見ている。まだ、焼きソバ売りは廃れていなかったのである。日本語の「焼きソバ」そのままで、中国人に作られるこの麵料理はしぶとく生き残っていたのである。
 | 小で4レアル。幾分値段は上がったが、この値段で満足できる食べ物はなかなかない。しかし、友達曰く「油でギトギトでまずい」とのこと |
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