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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2020/04/05)
3・8 有名になったら・・・・

3・8 有名になったら・・・・ (2012/03/09) 家を出て大分歩いた所で、昨日街角のギター弾きと約束した写真をうっかり忘れてきたことを思い出した。友人との約束の時間も差し迫っていたので取りに帰るのは諦めた。
 夕方、もし彼がいたら謝ろうと、昨日いた通りにさしかかったところで、チンチンチンチンとトライアングルを鳴らす音が耳に入った。もしかしたら彼かもと思い、探すと昨日いた場所とは随分離れた所で、トライアングルを打ち鳴らすおばさんと一緒にギターを弾いている男をみつけた。約束の場所とは違う所にいるわけだし、もう、何も言わないで帰ろうかと、思ったがせっかくきたのだから、一言言って帰ろうという気になった。
「写真忘れてきたんだ、ごめん」というと、「じゃあ明日」明日はわからなかったので「ちょっと無理だ」というといかにも残念そうな顔をした。
 以前、別のミュージシャンに写真をあげる約束をしたことがある。そのおじさんは、自分が約束の場所にいなかったにもかかわらず、さんざん文句をいい、僕の電話番号と住所を要求してきた。勿論ヘタに教えるとこの手のブラジル人は毎日のように電話をかけてくるだろうから無視をしたが・・・。話しているうちにこすっからさが見えてくるばかりで彼に関わるのがすっかり嫌になった。約束は約束だからと思い、探しに探し、やっと彼を見つけ出して写真を上げたが、ありがとうとも言わず、ギターに地面が映ってきたないとか、ああだこうだと文句をつけるばかりであった。何度かリベルダーデで演奏している姿をみかけたが2度と話はしていない。
 この苦い思い出が頭をよぎった。こうした人々は自分は約束を守らないくせに、相手に対しては約束を果たすことを要求する。あまり深く考えず、「できれば」、「都合があえば」位に言っておいた方がよさそうである。日本人の几帳面さがついついでてしまい、つい一生懸命約束を守ろうとするのだが、すればするほど頭に乗って畳み込んでくるような人が多いので気をつけなければならない。
 昨日聞いた曲がすっかり気に入ったので、売っていたCDを買うことにした。ギョロ目をますます大きくして
「本当は1枚15レアルだけど、10レアルでいいよ」と言ってくれた。
残念なことに昨日の曲は入ってなかったが、その場で歌ってくれた。
「今日はおばさんがいるんだね」と言うと、ひげもじゃの顔をちょっとふせて恥ずかしそうに「ミュージシャンは女好きがおおいからな・・・・。あんたには、いろいろ世話になった。ありがとう。俺が有名になったら、きっとあんたに恩返しをするよ」ちょっと驚いた。見かけだけから言うと、明らかに僕より年上に見えるが、実は若いのだろうか? それでも軽く40歳は越えているだろう。それにもかかわらず、将来有名になることを未だに目指していることに驚いた。風采も、歌も、僕が見る限りではとても売れそうにはない。それでも有名になることを夢見て、毎日毎日街角で歌を歌っている。そんな彼に惹かれて一緒に居てくれる女性もいる。僕自身もCDを買う気になったし、彼には何か人をひきつけるモノがあるのかもしれない。まあ、確かにどこかしら哀愁ががあるが・・・。サンパウロで有名になることを夢見て、セルジッペの田舎から出てきたのだろう。そんな姿を見ていると、自分も頑張ろうという気になってきた。 


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