3・26 セントロの日常の風景 (2012/03/25)
久しぶりに土曜日のセントロを徘徊する。穏やかな秋日和で日差しも柔らかく歩いていても気持ちがいい。 路上生活者達も死んだように歩道の真ん中で寝ているかと思えば、閉じられたシャッターと壁の隅でうずくまるように寝ている人もいる。路上生活者然とした人もいるが、真新しい靴下まで履いた人までいる。麻薬のやりすぎか、飲みすぎでそのまま眠り込んでしまったのだろう。他の場所であれば、道ゆく人も警察に通報したかもわからないが、ここセントロではあまりにも日常過ぎて、誰も気にもとめようとしない。 御茶ノ水橋の上では、モレーノがマイケルジャクソンの真似をして今日も一人で踊っている。あまりにヘタすぎて誰も取り合ってくれないのだ。それにもめげず彼は大声で歌いながら、大げさにマイケルの真似をするが、全然似ていない。道行く人々はせいぜ笑いながら通り過ぎるくらいで、立ち止まってみようとする人は誰も居ない。そのすぐ近くの欄干では、カードや貝殻を使って占い師が占いをしている。いつもいる5人ほどの占い師達にはそれぞれにお客がつき、今日は忙しそうだ。 パトリアリカ広場のまんなかで、上半身裸の男が寝ていた。行きかう人々は誰も気にしない。日常の風景なのだ。ルア・ダ・ジレイタでは、60歳ほどの盲人が膝をついて、バケツを捧げるようにして賽銭を待っている。そのバケツはしっかり金網のフタがされており、鎖で近くの建物につながれている。盲人が苦労してもらったお金も盗んでいく奴がいるのだろう。 気を抜いたらいつ、盗まれるかわからないような場所ではあるが、セントロの雑踏を歩くと妙に安心できるし、嫌なことも歩いているうちに忘れてしまう。
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