アパートの直ぐ近くにある安売りスーパーＤＩＡに買いもの行った。このスーパーは、普通のスーパーより１割～２割安い。僕はいつもここで水とスイカ、日用品を購入することにしている。 　いつものように水とスイカとトイレットペーパーなどを取り、レジの長い列に並んだ。みていると、皆袋を持っている。もしや・・・。さらに見ると、いつもはビニールの買い物袋が束にしておかれているのだが、一切ない。ついに、この店でも袋が廃止されたのだ。サンパウロでは市の条例で、環境を守るために買い物袋の廃止が義務付けられようとしていた。市内の大型スーパーでは既にビニール袋は廃止されていたのだが、この店は廃止されることなく配布が続いていた。おそらく袋がなくなるまで続けていて、ついにその袋がなくなったのだろう。 　そんなことも知らなかったので、何も持ってきていなかった。どうしようかと思いながら、ふと、レジの前に張られている紙を見ると、「ビニール袋１枚７センターボ」とあった。助かった。１枚頼み、もろもろを袋につめこみ何とか運ぶことができた。 　考えてみれば、僕がブラジルに来た２０年前には、ビニール袋はなく、随分不便に感じたものだ。それが見る見るうちに何処の店でもビニール袋がふ普及し、店で買い物をすると袋に入れてもらうのが普通になっていった。また元に戻るだけなのであるが、買い物に幾たびに袋を持っていくのは結構大変だ。便利な生活になれた身にはかなり不便に感じてしまう。環境を守るために、腐らないビニールを廃止することは、非常に良いことだとは思うが、袋のない生活に慣れるまでは苦労しそうである。 　貧しい人々が、よりよい生活の補償、貧富の差の撲滅を求めて、デモ行進が最近しばしば見られるようになった。 　今のブラジルはバブル状態。最低給与は上がったが、それ以上に物価は上がっている。今のサンパウロの物価は、感覚的に東京以上だ。

前のページへ / 上へ / 次のページへ