5・6 音楽祭とドロボウ (2012/05/06)
今日の夜から明日にかけて、セントロのいたるところでクラシックからロックまでさまざまなコンサートや映画上映会が市の主催によって無料で行われる。こういう点はサンパウロは凄いな、とつくづく思う。 御茶ノ水橋の下でオーケストラの本番前の音あわせを見ていると、ピアノと演奏者がクレーンに吊り下げられ、降りてきた。すぐ下にいたおばあちゃんと娘が慌てて席を離れる姿を見ていて思わず笑ってしまったが、僕ももし真下にいれば、同じことをしただろう。人の作業なんて信用が置けない。鋼鉄のロープが切れてなんてことが起きる確率は絶対高いと思う。現にピアニストはちゃんと別に救命ロープをつけていると言う事は、そういうことを想定してのことだろう。もしピアノが落ちたりしたら下に居る人はピアノの下敷きになるだけではないか。つい最近にも、サンパウロの遊園地で地上数十mから急降下する遊具で、係員の不備から日本から遊びに帰っていた日系人が死亡した。空中に吊り下げられたピアノを弾くなんて、いかにもブラジル人らしい面白い発想だなと思いつつ、もし落ちてきたらなんてことを考えてしまった。 6時から始まるコンサートにはまだ2時間ほども時間があったので、他の場所の写真を撮りに向かった。途中、3,4の素人ミュージシャンが通りで演奏をしているのを写真を撮っていると、何枚か気に入った写真も撮れ、だんだん気分がのってきた。さらにSE広場に向かおうとしたところで、頭に何かが降ってきた。手を当てると、チョコトレートの匂いがする。 昔、ペルー人がケチャップを人にかけて、別の人間が親切なふりをして汚れをとってあげている間に、隙を見て持っている手荷物を奪って逃げるという手口のドロボウだ。写真を撮りながらセントロを歩いていると、この手のドロボウに会うのはしょっちゅうであるが、服や身体が汚されるだけに頭に来る。キッとして振り向くが人が多すぎて誰がしたのかわからない。跡をつけて来る人間がいないか、かなり気をつけてみるがそれらしき人間は見えなかった。 結局、身体にかかった液体が気持ち悪く帰ることにした。一度帰ってシャワーを浴びていると、再び外に出る気にはならず家で過ごしてしまった。 あれほどたくさんの警官がいたのにも関わらず、泥棒は徘徊しているのだ。つくづく気をつけなければならないと思う。
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