5・9アウグスタ (2012/05/09)
久しぶりに、アウグスタ通りをセントロ側の端からパウリスタまで歩いた。この通りは古い通りで、歌にでてくるほど昔は人気の通りであった。 その後、低級ナイトクラブが軒を並べるようになり、客を曳く街娼や男娼が夜な夜なたくさん立つようになり風俗の通りと化したが、最近は若者が集まるバーやショッペリア、ディスコなどができ、再び様変わりし始めている。町は生きていると言うが、この通りを見ているとつくづくその通りだな、と思う。 6時にもなるとすっかり日は落ち薄暗い。巨大な、フランス系のホテル、カドーロの建物も壊され、華やかしき頃の影もない。この巨大な敷地になにができるのだろうか? そう思いながら進んでいくと、ナイトクラブやセックスショップの赤や青のネオンの輝きが見え始める。ちょっと薄暗い陰影が、なんともいえぬ場末の雰囲気を醸し出している。よく通った店も取り壊され今は更地になっていた。通りの中ごろに来ると、急にナイトクラブが増え、バール(軽食屋)では、店で働くボーイや女達が、開店前の腹ごしらえをしていた。何故か、フィットネスセンターが多いのはどうしてだろう。この通りの裏あたりは、住宅街だから底の住人たちが使うのだろうか? 体型に気を使う夜の女達も増えてきて店に出る前に利用しているのかもしれない。 「エイズが広まる前は、性病の薬が飛ぶようにうれたんだけどね。今は皆コンドームを使うようになって、さっぱりだよ」とでっぷりふとったオーナーらしき日系人が語っていた薬局は健在であった。 パウリスタ通りに近づくにつれ、洒落たレストランや店が増えてきた。この辺まで来ると寂れたというよりは、洒落たという感じである。 やっと最終地点のパウリスタに到着。アウグスタ通りとパウリスタ大通りの角では黒っぽい服を白人系の若者達が集まって、ギターを弾いている。なんとなく退廃的に感じてしまうのは、映画の影響だろうか? 久しぶりのアウグスタは刺激があり面白かった。これからできるだけこの通りを歩いて写真に収めたいと思っている。
|