5・15歩行者優先 (2012/05/16)
サンパウロのドライバーにも歩行者優先の意識がやっとできてきたようで、信号のない横断歩道では止まってくれる車が増えた。おそらく厳しい罰金が課せられるようになったのだろう。以前は完全な車優先で、歩行者が横断歩道を渡ろうとすると、警笛を鳴らして、歩行者を止めて車が突っ込んで来たものだ。それが車の方が止まって、歩行者を通してくれるようになった。変われば変わるものである。なんとなく拍子抜けするほどである。 しかし、そこで怖いのが、車が止まってくれるものと思い、横断歩道をわたっていると、止まることもなく突っ込んで来る車が時折あることだ。おそらく、ドライバーの方でも歩行者の方が止まると思って突っ込んで来るから、交通事故になる可能性が高い。 この国では交通事故を起こしても車側の罰則が軽すぎるから、ドライバーが歩行者にそれほど気をつけないのだろう。例え事故を起こしても、金がないといえば、被害者側が泣き寝入りするようなことが多い。訴えても、相手が貧乏であれば、賠償できないので結局弁護士代など訴えた方の損失になってしまう。たとえ取れたとしても時間がかかる、そんなことから泣き寝入りする人も随分と多いようだ。僕がブラジルに着た頃には、嘘か本当かわからないが、たとえ人をはねても1日捕まることなく逃げおおせれば、罪に問われない、というような話も聞いたことがある。 アメリカや、日本のように厳しい罰則を作らない限り、この国が完全に歩行者優先になることはないと思う。もっとも、車以上に、歩行者の交通意識が低いのも問題ではあるが・・・。
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