6・24 危機一髪 (2012/06/25)
日曜日は基本的に出歩かないようにしているのだが、3時に知人との約束が入り、メトロ・アニャンガバウー駅に向かっていた。うちから駅にいくには、長い歩道橋を渡らなければならない。夜は人通りも少なく歩かないようにしているのだが、まだ3時にもなってない昼過ぎだから、大丈夫だという気の緩みがあった。 日曜日だけあって、橋を行きかう人通りはほとんどなかった。橋の中ほどで、男3人と女が橋の終わり間際で話している姿があった。女が一人いたし、服装もそれほど汚い感じではなかったので大丈夫だろうと思った。ただ、人通りが全く無いのと、一人が裸足だったのが気にかかった。彼らに近づいていると男と女が横道にそれ、男二人になった。なんとなく危ない感じがしたが、もう駅までも20mもないし、二人を追い越した。追い越す前に二人を良く見ると、どうやらストリートチルドレンらしかった。チルドレンと言っても2人は僕より身体は大きくがっちりしている。 ブラジルでは未成年は罪にならないし、たとえ防衛でも、未成年に暴力を振るうと大人の方が罪になる。そんなことから、未成年の犯罪は多いし、未成年を使って犯罪を行う大人もいる。13歳を過ぎると、十分考え、理解できるのだから、未成年法の年齢をもっと引き下げるべきなのだ。 二人を追い越すときに、二人の視線を感じた。追い越し、水溜りを避けるふりをして、できるだけ二人から放れた。数メートルさらに歩いて、ふと後ろを振り向くと、僕の後ろに裸足の青年がピタリとつき、さあ、襲おう、とダッシュしようとする寸前だったらしかった。そんな時に、僕が振り向いたものだから、襲う気をそがれたようで、下を向いて鼻を触りながら、ニヤニヤ苦笑いしていた。 ほんの数メートルで人通りの多い広場なので、にらみつけそのままのスピードで歩いた。以前は恐怖と怒りで鳥肌が立ったものだが、今回は怒りだけで不思議に怖いという感覚がまったくなかった。これはよくないパターンである。特に僕のように、身長も低く、体力もない人間には危険を避けるためには絶対恐怖は必要である。 まだ後ろから、この青年がきていたので、もし、広場に警察がいたら、捕まえるように言ってやろうと思ったが、あいにく一人の警察もいなかった。もっとも例え居たとしても、何もしていないのに捕まえることはできなかっただろう。しかし、この青年の顔つきからして、犯罪は繰り返しているはずである。泣き寝入りをした被害者も多いだろう。 一度ストリートチルドレンの取材をしたことがある。アミーゴになると気持ちの良い子供が多かったが、中には、もうどうにもならないような子供もいた。ニュースで見ていると、未成年で既に10人以上を殺害しているような子供もいる。とても更生が無理だと判断できるような子供は大人と同様の罪を与えるべきだと思う。
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