7・19 素直さと頑なさ (2012/07/20)
毎週1回メルカードに魚の買出しにいったついでに、ほぼ毎回バールによってカウド・デ・モコト(牛の足の出汁スープ)を飲んでいる。 ファリーニャ(マンジョッカの粉)を程よく入れてかき混ぜ、ピメンタ(唐辛子)をタップリふりかける。このファリーニャの入れ具合がけっこう難しく、入れすぎて液じょうのドロリ感がなくなってもいけないし、少なすぎるのもおいしくない。最近やっと適度な入れ具合をマスターした。いつものように最後にカフェ・コン・レイチ(牛乳入りコーヒー)を飲み干し、会計所に向かった。もう、この店に通いはじめて2年ちかくなると思うが、いつも同じ注文である。 会計で、カウドとカフェ・コン・レイチと言うと、会計係の白人女性は、ちらりと僕の座っていたカウンターを見て、6レアルという。あれっ、いつもは4・5レアルだから値段があがったのだ、と思いつつお金をだそうとすると、横に居た店の男性が、「いや、4・5レアルだよ・あの、コカの瓶は別の客がのんだものだよ」と女性につげた。 確かに僕の座ったすぐとなりに前の客が飲み食いした皿やコップがおいてあった。会計の女性はそのコカコーラの空き瓶を見て1・5レアル余計に請求したのだ。僕がカフェとカウドと言っているのに関わらず信用しなかったのだ。さすがに、ちょっとムっとしたので「たかが1・5レアルくらいで嘘はつかないよ!」と言い、5レアル札をだした。その女性は、自分の誤りを謝ることもせずお釣りの50センターボをよこした。 帰り道、次第に女性の対応が腹立たしく思えてきた。まっ、それだけブラジル人たちは、ごまかす奴が多いということだろうが、2年もずっと同じものを注文してきた客にこの対応はないだろう。この女性はずっと前からいて何回もお金を払っている。バカなのだ! だいたいそんなことをするせこい奴に見えるか! と言いたい。・・・・しかし見えたのだろう。 1週間後、店に入ろうと思ったが、会計にあのときの女性がいたので入るのをやめた。このときはまだ顔も見たくなかった。 そして今日またあの女性がいたが入ってカウドを食べ終え、いつものように会計に行くと「元気?調子はどう?、セニョール」女性の方から話しかけてきたので驚いた。彼女も先々週のことを覚えていて、悪いことをしたな、と思っていたのだろう。お金を払い終え帰るときも、「ありがとうございました、またね」と愛想よく言ってくれた。思いもしない彼女の反応に驚くとともに、嬉しかった。 嫌なことをされたり、言われたりすると、たいてい2度と会わないし、行かない。しかし、彼女には悪気がなかったことが解っているだけに逆に自分自身の頑なさが恥ずかしくなった。
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