7・28 意味のないこと (2012/07/29)
今日は快晴の土曜日。土曜日は、パウリスタ大通りで写真を撮ると決めている。アウグスタ通りを上がり、パウリスタ通りへ。今日はどうも調子が出ない。見る「目」がないのである。早朝の日本からの電話で、すっかり気分が悪くなってしまったせいだろう。しかし、これくらいで見る目がなくなるなんてつくづく情けない。精神修行が足りないのだ。 そんなことを思いながら、パウリスタ大通りに入ると、既にアマチュアカメラマンが数人いて、膝をついたりかがんだりしながら写真を撮っている姿があった。以前、2人連れのカメラを持った男たちが、新聞を読んでいるおじさんの写真を真正面から、何の断りもなしに写真を撮ったことを思い出した。そのおじさんが嫌がっているのにもかかわらず、その男たちは写真を撮った。その失礼な態度におじさんは怒り二人を追いかけたがまったく無視して、この男たちは行ってしまった。 アマチュアカメラマンの様子をみているうちに、最悪!のカメラマンのことを思い出し、写真を撮ろうとする気がすっかりうせてしまった。やっぱりセントロに行くべきだったのだ。セントロは治安が悪いのでパウリスタほどカメラマンがいることはない。しかし、せっかくパウリスタまできたので、近くの大型スーパーでワインを買いたかった。 大型スーパーで良さ気なワインを見つけ、長い列で待つこと数十分やっと自分の番が来たのでワインをレジのカウンターに置くと、丸顔のモレーナがドキュメントが必要だという。「えっ!?」思わずカチンと来て聞き直した。「前に書いているでしょう」と指で指された箇所を見ると、確かにその旨の張り紙があった。うううう・・・。市の条例だというのなら仕方がない。とドキュメントを見せると、僕の名前から番号まで打ち込んでいる。いったいこれはなんなのだ。掲示しろというのなら解るが、購入者の名前やドキュメントナンバーを登録するとは・・・・一瞬文句を言おうと思ったが、この娘に言っても仕方がないことだからやめた。長い間ならんでいたし、ワインを買いたかったのだ。しかし、これを書いているうちに買うべきではなかったという思いがムクムクと起きてきた。こうやってとった情報は何に利用されるかわからない。ブラジルでは取った個人情報は垂れ流しに等しい。どんな犯罪に巻き込まれるか解ったものではない。失敗であった。 アパートのエレベーターの中で、顔見知りの大学の先生に聞くと、「私も知らなかったわ。でもいいことよ。最近若者の飲酒が問題になっているから」と言う。 しかし、もし、未成年の飲酒を禁止するための措置のためだったら、とても未成年には見えないおじさんもアルコールを買うのにドキュメントを見せなければいけないなんて意味がないことだと思う。
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