9・21 春 (2012/09/22)
もう、夏! と思えるくらい暑く晴天が続いたのが、おとといあたりから雨がショボ降り、また初春に逆戻り。さすが、1日に4季を味わえると誰かが言ったサン・パウロ、天候の移り変わりが激しい。思わず、数日ポカポカと温かい日が続いたかと思うと、突然雪が降り始める札幌の激しい春を思いだした。 それでも、春というのは確かなようで黄色のイッペー、薄紫のジャカランダなどの街路樹が咲き始め、サンパウロの薄汚い灰色の町並みに彩りを添えてくれている。花の咲いた木の周りがぽっと明るくなったようで見ている方も気持ちが明るくなるようだったが、その彩も、昨日の春一番の大風とショボ降る雨で吹き飛ばされてしまった。 季節の中でいつが一番すきかと聞かれると、「春」と即座に答えると思う。菜の花が咲き乱れるムンムンするような匂いのなかでモンシロチョウをおいかけた思い出や、四万十川の堤防でつくしを懸命に取った幼い頃の思い出、生命の息吹を感じる北海道の春の思い出は深く僕の脳裏に刻み込まれている。それに比べると、サンパウロの春の印象はほとんどないに等しいが、それでも、毎年可憐な花を咲かしてくれる街路樹が春を感させてくれる。 うちのアパートの前にあるジャカランダの薄紫の花も大風ですっかり落ちてしまい、路上を紫色に彩っていた。遠くから見ると淡い紫の絨毯をしいたような路を見るのは大好きなのだが、時間が経つにつれ、人に踏まれあっという間に変色いく様を見ると、春の終わりを告げられているようで寂しい。
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