10・16 たかが、小さな島のことで・・ (2012/10/17)
メルカードで魚を買いにいくと、正確な発音でポルトガル語を話す東洋人が魚をかっていた。中国人の中国語訛りはすぐわかるので、おそらく中国人ではない、韓国人にしては表情が明るいし雰囲気的に韓国人でもない、どうも日系人、日本人でもない。果たして何処の人なのか? 不思議に思っていると、魚屋のあんちゃんが「あの人は中国人2世だよ」と教えてくれた。どうりでどこの国の人にも見えなかったはずだ。 尖閣諸島のことがあるので、ちょっと話してみたくなった。 「中国人ですか?」もちろんポ語で。 「そうだよ。でもこちらで生まれているんで正確にはブラジル人ですね。それと中国は中国でも香港です」 ちょうど、香港人が中国人と呼ばれるのを嫌っているという記事をサイトでみたばかりであった。 「あっ、香港人ですか。香港人と台湾人は他の中国人とは随分違うようですね?」 「そうです。そうです。中国人は道徳観が最低ですからね」と言って顔をしかめながら親指を下に向けた。ブラジル人が最低なモノに対してみせる素振りである。すぐ近くに中国人らしき男がいたので、これほどはっきり言って大丈夫かなと思わず心配になったほどである。 「世界中で反日デモがあったみたいだけどブラジルでも反日のデモがあったんですか?」 「なかったですよ。他国のデモは中国政府がお金だしてやらせていたようだね。あんな小さな島のことでまったくバカらしい」 へえー、こんな大らかな中国人もいるんだ。なんとなく嬉しくなった。やはり、中国以外で生まれ育った中国人は、中国人であれどが中国人ではないのだ。日系人と同じである。 彼と話していると、ブラジルにいながらにして、尖閣諸島のことにたいして神経質になっている自分が恥ずかしくなってきた。尖閣諸島問題は、もちろん、領海の問題や、対面の問題など様々な問題をはらんでいる。彼もそんあことは百も承知だろう。それでも「たかが、小さな島のことで・・・」、そう、単純明快にいう彼が気持ちよかった。
 | シマガツオ。日本のホンガツオには比べ物にならないが、ブラジルに住む身にはこれでも十分おいしい。 |
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