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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
10・29 貴重な存在

10・29 貴重な存在 (2012/10/30) 今日は魚買出しの日。まだ8時だというのに、気温は既に20度を軽く越えている。今日は1日暑くなりそうだ。
 今日のメルカードは、刺身にできそうなアジやカツオなどの安い魚はあいにくなく、いけそうなのは今日入荷したというイワシのみ。さすがに1週間イワシのみではちょっと寂しい。隣の魚屋を見ると、小さなタコがあったので買うことにした。
 タコ1キロを頼むと、背の低いモレーノ(黒人と白人の混血)が1キロとりはじめた。とうに1キロを越えていると思われるのにまだいれようとしている。
「もう、とっくに1キロこえているんじゃない?」と言うと、ちょっと首をかしげて、秤にのせるた。メモリは1,9キロ。「ムイント(多すぎ)?」「頼んだのは1キロだよね。当然じゃないか!」ちょっとむっとして言い返した。ほぼ1キロにして、透明のビニール袋に入れた。そして「袋はいる?」と聞いてきた。白い手提げ用のビニールに渡すのが普通である。「当然じゃないか!」さっきのこともあり、カチンときたので「タコが入っていると見える透明な袋のままでおまえは持って帰れるか?」と聞き返そうかと思ったが、バカは相手にしてもこちらが腹立つだけなので、腹立ちをぐっとこらえた。
 こんなに気が利かないバカも珍しい。帰る道々、この男のことを考えていた。そういえば、ぼくがブラジルにきたばかりの頃は、文字も読めない、計算もできない、気も利かないブラジル人がたくさんいたような気がする。バカだけど気のいい素朴な奴がたくさんいた。今のブラジル人は、皆小賢くなったが性格が悪い奴が増えたような気がする。そう思うと、魚屋のモレーノも貴重な存在という気がしてきた 


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