10・30 リオのファベーラ(貧民街)の今後は? (2012/11/01)
朝のニュースを見ていると、相変わらず殺人事件のニュースばかりである。サンパウロでは最近とくに警官が殺される事件がつづいている。麻薬組織との抗争がおきているようだ。 一方、リオは、ワールドカップやオリンピックに向けて警察や軍にファベーラが次々に制圧され治安は徐々によくなっている。昨日も邦字新聞のニュースサイトで、リオのファベーラに住む外国人が増え始めているという記事を読んだ。 もともとリオのファベーラは景観の良い丘の上にあるところが多いので、住むときっと気持ちよいだろう。昔は、電気水道がなく、急な坂でばかりで不便な場所だったので貧乏人がすみ始めたのだが、今や丘の上まで小さなゴンドラがあるところもあるし、たいていのところは電気水道は通じている。リオは気候の良い気持ちのよいところだし、治安さえ悪くなければ僕も住みたい。 しかし、このあおりをくらい、ファベーラの不動産価値があがっているらしい。家賃があがってしまい、もともと住んでいた貧乏な人々がどんどん追いやられている。多分、今後目先の利くブラジル人が入り込み、あっという間に土地を買占め、貧乏人はすめなくなってしまうだろう。 下町のような相互扶助のファベーラの生活も、今後激変してしまうだろう。お金は人も場所もあらゆるものを変えてしまう。一見、治安がよくなり住み易くなりそうであるが、結局、貧しい人々は、もっと住み辛い所においやられ、ファベーラを形成していくことになるだろう。悲しいことではあるが既に現実になりつつある。
 | ガナバヴァラ湾の風光明媚な風景。こんな綺麗な風景を毎日みながら多くのファベーラの人々は暮らしている。 |
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