11・21 あんたには (2012/11/22)
「あんたには20レアルにしてあげる」 よく25・デ・マルソの問屋街や、あやしげなところで買い物をするとよく聞く言葉である。あなたには特別に安くしてあげると、売り子は言っているつもりなのだろうが、最初からだいたいの正規値段をしっているし、たいして安くない値段を言ってくるので、むしろ高い値段をふっかけられているのでは? とかんぐってしまう。だいたいそういうことを言う奴に限って、品のない顔をしている。 今日買い物をしたのは、携帯を覆うプロテクター? 欲しい携帯が白しかなく、汚れることを覚悟して仕方なく買ったのだが、既に薄汚れはじめてきた。自分だけが使うなら幾ら汚れてもいいが、時に電話で人に話してもらうこともあるので、あまりに汚らしいと、話してもらうのも気が引ける。前に使っていた携帯があまりにボロボロで汚くなっていて、人に貸して話してもらうことが何度かあったが恥ずかしかった。新しい携帯を買った理由のひとつに、人に貸しても恥ずかしくない携帯が欲しいというのがあった。 中国人経営のボックスには、ずらりと携帯用、スマートフォン用のプロテクターが並べられ、ひきりなしに客が訪れ、3人の娘が忙しそうに接客していた。携帯を見せると、まだ買うとも言っていないのに、さっさとプロテクターをかぶせてしまった。そのあげくが「あんたには20レアルにしてあげる」であったから、安くすると言われているよりはぼられているような感じがした。むっとしたが、いろいろ探し回るのが面倒であったし、できるだけ早く欲しかったので購入したが、ぼられたような気がして妙に悔しい。 こんな使い古されている言葉を使わずに、もっと気の利いたユーモアに溢れたことを言えば、それだけで嬉しくなり、少々高くても買うのに。こういう言葉にほだされて買う客もいるから、バカのひとつ覚えで毎回使うのだろうが、もうちょっと考えて喋ればいいのに、と思ってしまう。
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