12・9 ルス駅付近 (2012/12/10)
歩いてピナコテッカ美術館に行く途中、ルス駅を通り過ぎる。周囲の古い建物が取り壊され、どんどんすっきりし始めているが、セントロ側はまだまだ昔のどんよりごちゃごちゃ雰囲気が漂う。メトロの入り口付近には路上生活者や倒れるようにして寝ている酔っ払い、駅の裏口には春を売るおばあちゃんや、ゲイ・・・。数百m先の広場には、麻薬中毒者がたくさんいるようであるから、何人かはこちらの方は流れてきているかもしれない。数軒あるシュラスコ・グレゴ(シシカバブ・サンドウイッチ)には取り巻くように人が集まって2レアルの激安サンドイッチをほうばっている。 治安は決してよいとはいえないが、結構こういう雰囲気は好きである。それだけにワールド・カップに向け、この辺も来年にはすっかり様変わりしてしまうだろうことを考えると残念である。 駅の構内に入ると、一眼レフを持って写真を撮っている人が数人いた。以前は撮影禁止になっており、写真を撮っている人がいると、警備員が飛んできて注意したものなのに。撮影が可能になったのか・・・? それなら僕もと写真を撮っていると、「コインくれない」と妙になよなよした長髪の青年がよってきた。服装も決して汚くない。みかけは普通の青年だ。おそらく麻薬を買うお金が欲しいのだろう。「ないよ」と言ったが、彼はしつこく食い下がる。普通のモノもらいなら、すぐに諦めて、次の人に移っていくのに、彼は「そんなわけないわ、あんた日本人でしょ」と言って後を追ってくる。こうなるとと僕も意地になって絶対あげるつもりはない。さすがにそれが解ったのか、途中で諦めてどこかに行ってしまった。 列車が次々と到着しては出発していく様子を見ていると、ふらっと旅に出たくなってしまった。そういえばしばらく旅をしていない。年末どこかに行こうかな。
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