1・8 一番おいしい料理 (2013/01/09)
この頃、高級レストランの取材が続き、何回かご馳走になった。今回行ったレストランでは、食材も含めて調理もかなり気を使っているとのことであった。 昼飯を家でしっかり食べていたこともあるが、どうもおいしく感じない。家で食べる方がおいしく感じるのである。サンパウロでも一流と言われるレストランだから、おいしくないわけはない。 最近、よっぽどのことが無い限り食事に出ることはないから、僕の舌がおかしくなっているのだろう。 「遠足で、ファベーラの子供たちをレストランに連れて行ったんだけど、皆余り喜ばないのよね。結局、お肉や魚は食べずにフェジョン(豆)とご飯しか食べなかったわ。やっぱり普段食べるものが一番いいのでしょうね」とボランティアの人が言った言葉を未だに覚えている。 多分、僕もそれと同じ状態なのだろう。もっとも、うちで食べる食事は、料理の腕は別にして、食材はいいものを使っている。魚はメルカードで刺身用の鮮度の高いものを買っているし、野菜は無農薬野菜である。 最近は、食事を外に食べにいきたいとはあまり思わなくなった。食べることに欲が少なくなったこともあるが、自分にあった味付けをできる、家の食事が一番おいしく感じてしまうせいもある。ファベーラの子供たちと同様、慣れ親しんだ食事が一番である。
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