1・16 大雨 (2013/01/17)
サーッ、静寂の中を重いものを引きずるような音。 窓のそとを見ると、細い糸のような雨が降り続く。こんな雨は日本でも何度か経験したような気がする。まるで幾重にもカーテンを重ねた部屋にいるような不思議な静寂である。雨が、音を、大気中に漂う汚れを、そして人の心の悩みさえも洗い流してくれるようだ。すっかり人通りが消えてしまい、ただただ雨が降る窓の外を見ていると身体から魂さえも流されていくようだ。 夕のテレビのニュースでは、雨が降り続き水没した町の様子を伝えていた。太った大柄なおばさんが抑揚のない低い声でたんたんと、すべてのモノを失った、と語り、最後は言葉に詰まりうつむいてしまった。降り続く雨は、低地で大きな被害を及ぼしていたのだ。 大雨が降っても大した影響を受けない高台にすんでいる僕は、のんびりしたことを考えていたが、被害にあった人々は途方にくれていたのだ。僕にはどうすることもできないが、もうこれ以上雨が降らないことを、一刻も早く被害に遭った人々が元の生活に戻れことを、祈りたい。 北伯の方は干ばつがつづき、農場で働いている友人から、今年の収穫が心配だとのメールもらった。最近の世界中の気候異変や地震を見ていると、地球は大丈夫なのかと心配になってくる。地球はまだ数億年は大丈夫だというような記事をつい先日読んだが、ほんとうだろうか? 疑ってしまう。
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