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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
3・12 魚の頭好き中国人 [画像を表示]

3・12 魚の頭好き中国人 (2013/03/12) 2,3年ほど前から、メルカードに来る中国人が急激に増えた。日本人はといえば、日本食レストランの主人がときおり見かけられるくらいで、ほとんど見かけない。
いつも魚を買うボックスの日系人オーナーに、「中国人が増えたね」と言うと、ちょっと顔をしかめて「そうだね。でも彼らは生では魚を食べないからね。魚の頭や、内臓をよく買っていくよ」と話している間にも、一人の中国男性がきて、「頭はないか」と聞いた。彼が「無い」と答えるとガラスケースの中の大きなブリを指さして切る身振りをした。
「1匹丸ごとだったら売るけど、頭だけは売らないよ」というと中国人は残念そうな顔をして行ってしまった。日系の友人に言わせても「頭はおいしい」というし、頭は魚の部位の中でも一番おいしいところなのかもしれない。以前にも書いたが、中国人が魚の頭や内臓を買いあさるために、以前はただ同然だったものが1キロ20レアル(1000円)もするようになった。僕は新鮮な魚がたくさん水揚げされる高知で育ったせいか、頭を食べる習慣はないからいくら高くなっても問題はないが・・・。
「中国人は、俺が日本人だと解ったら、話をしないよ。従業員のブラジル人とは話すけどね」彼自身は中国人は嫌いなようだ。中国人も彼の素振りからそのことがわかるのだろう。一度中国人がボックスの中まで入って、魚を素手で触り始めたことがあった。彼はカチンと来たのか「魚を素手で触らないで欲しい」と言って手袋を渡した。中国人は何も言わずに出て行ってしまった。ところが、同じように日本食レストランの主人が店の中に入って魚を触っても友人は何も言わない。ちょっとこれはよろしくないなーと思いながら見た覚えがある。もっともレストランの主人は、見て良さそうなモノしか触らないし、たいてい触ったものは大量に買っていく。中国人は素手で触って選びに選んでせいぜい数匹しか買っていかないから、仕方がないことかもしれない。
日本人が旅行でブラジルに来るようになった20年ほど前、古時計や骨とう品を大量に買いあさり、骨とう品が急激に値上がりしたことがあった。魚の頭が急激値上がりしたのは、それと同じだから、日本人の僕が中国人を批判することはできない。当時、骨とう品を趣味にしたブラジル人たちは、きっと日本人を苦々しく思ったことだろう。

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魚の頭のおいしさは、僕にはよくわからない


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