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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
4・14 フェイラの面白さ [画像を表示]

4・14 フェイラの面白さ (2013/04/15)  毎週、各地区で決まった曜日にフェイラ(市)が立つ。そのほとんどは、土、日で、まれに水曜日もたつところもあるが珍しい。フェイラの写真が撮りたくて、よく行く家の近くとは別のフェイラに行った。
 各地区によって、売られる物の質が結構ことなるようで、僕が今まで見たところでは、高級住宅地のフェイラでは質が良いもの、貧乏人の住む地区のフェイラは質が悪いものが多かった。質が違うのだから値段も当然異なるだろう、と思うのだが、意外に、ほぼ同じなので驚いたことがある。
 今日、足を延ばしたフェイラは貧乏人の住む地区のフェイラ。行くまでにほとんどファヴェーラのような場所を通り抜けなければならなかった。さらに、たくさんの路上生活者がごろごろ寝ていて、僕が通うファベーラよりも荒れた雰囲気があった。途中で何度かひきかえそうかと思ったほどであったが、フェイラがちかづき、買い物かごや、野菜や果物を提げた人をちらほら見かけるようになってほっと一息ついた。
 僕の住む地域のフェイラも決して質が良いとは言えないが、このフェイラの売られている野菜や果物は傷があったり、熟れ過ぎていたり、貧弱なものが多かった。幾分値段は安いもののほとんど変わらない。初めは果物を買って帰るつもりだったが、あまりの質の悪さにその気も失せてしまった。
フェイラ自体はかなり大きく、交差する2つの通りで行われていた。そこに一杯の買い物客が訪れていた。なかなか迫力のあるフェイラだった。しかし、いかんせん危なすぎる。偶然遭った知人によると、泥棒が結構いるのでかなり危ないとことだった。
 それでもついつい撮っているうちに、魚屋にいきついた。うちの近くのフェイラだとガラスケースに入っていたり、氷をたくさん置いて、いかにも清潔そうに見せているが、ここの魚屋は、氷もほとんど使われておらず、魚の色も悪い。そんな魚屋の写真を何枚か撮っていると、一人の男が鋭い目つきでこちらを見ている。ちょっと気にかかったが、泥棒の様子はなかったのでさらにもう1枚撮った。そこへその男がよってきて「なにを撮っているのだ? 女か魚屋か?」と詰問調で質問してきた。女??? 何を言っているのかわからなかった。「このフェイラを撮っているのさ! で、あんたは何なんだ」と言うと「俺は彼女の警備員さ!」そう言ってズボンのポケットから財布を取り出して身分証明書を見せた。
「あ~、まったく関係ないよ。このフェイラ全体を撮っているだけさ」と笑いながら言うと、さすがに誘拐犯や泥棒には見えなかったのだろう。彼は安心したのか、にやりと笑って遠ざかっていった。
 しかし、こんな危なっかしいフェイラに警備付で買い物に来るなんて! もっといいフェイラがいくらでもあるだろうに。
 うち息子の通う学校にも、金持ちの娘が通っていて、いつも警備員が少し離れた所でいるも見張っているらしい。この学校は、うちの息子が通うぐらいだから、決して金持ちの子息が通うような学校ではない。中から下クラスの家の子供が通う学校である。息子によると、この娘の家はサンパウロ市内の高級住宅地にある1軒家で、プールからフィットネスセンターまであるらしい。かなりお金持ちだろう。どうせなら、金持ちの子供たちが通う学校に通えばいいと思うのだが・・・・。
 このフェイラは写真を撮るという意味では非常に面白かった。下調べのつもりで行ったのだが、ついつい撮ってしまった。次回はじっくり撮ろうと思っている。フェイラによって随分雰囲気や客層が違うことを知った。しばらくフェイラ巡りを続ける気になってきた。

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