4・30 危ない街歩き (2013/05/01)
昼と夜の温度差のせいか、ここ数日、朝は霧がでる。そういうのもいいかな、と思い写真を撮りにでかけたが、あまりに濃過ぎて建物が見えない状態でかなりがっかりしてしまった。 その帰り、なんとなく前の男に狙われているような気がして立ち止まった。そうすると、青いジャケットをきた180センチほどの均整のとれたその青年もたばこの火をつけようとして止まった。横目で見ていると、風もないのに、手で覆って何度も何度も火をつけている? そのままずっと景色を見るふりをして立ち止まっていると、その男は近くの建物のそばに入っていまだに火をつけようとしている。もし本当に火がつかないのなら、ほとんどガスがないか、火打ち石がすり減った石の100ライターを使っているのだろう。しかし、いくらなんでも、これほど火がつかなければ、普通の人なら火をつけるのをあきらめるだろう。 真偽はどうであれ少しでも危ないと感じたら、できるだけ近づかないで逃げるに限る。道を横切り反対側にわたった。すると、その男もちょっと間をおいて渡る。果たして偶然か??? 判断はつかないが、もしこの男が泥棒なら、確実に僕は狙われていることになる。再び反対側にわたる。さすがに今度はつけてこなかったが、もし襲ってくるようなら、撃退しようと、もっていた一脚を強く握り心構えはできていた。ただ、こうした男達は最近たいてい拳銃を持っている。銃で脅して、鞄をわたせと、要求するだろうから、一脚ではとても勝負にらない。というより僕のひ弱な腕力では、ヘタをすると大柄なブラジル女性にもかなわないだろう。 その時になってみないと解らないが、たぶん銃で脅されても渡さないと思う。最近の強盗はためらうことなく平気で撃つから、もし撃たれどころが悪かったらしんでしまうだろう。そうなると、「サンパウロで邦人、カメラを渡さず撃たれる」なんていう記事が流され、それを読んだ人はきっと「カメラなんていつでも買えるのに、惜しんでバカな奴だな」と思うだろう。 僕にとってカメラはいつも肌身離さずもっているものだから、ちょうど侍の刀のようなものである。それを盗まれるということは我慢できない。危ない町に住み、危ない所で写真を撮っているのだから、何が起きてもしょうがないと思っているが、それは我慢できない。そんな最悪なことにならないよう、体調や精神状態が不安定でカンが鈍っているときには街歩きはできるだけしないようにしている。
 | せっかく行ったのに霧が濃すぎて撮れなかった。アパートからだけで我慢しておいた方がよかったのかもしれない |
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