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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
6・14デモ運動 [全画像を表示]

6・14デモ運動 (2013/06/14) リベルダーデの日本食料品店で買い物をしていて、突然、5キロのお米も買う気になった。1週間分の食品は両手にいっぱいになり、写真を撮りながらセントロを抜けて家に帰るのはあきらめて直接帰ることにした。
 家の近くに来て、4,5機のヘリコプターが市営劇場付近を旋回していた。何かあったのか? 家に帰りつきテレビをつけると、先日に続き、バスの乗車料金値上げ反対のデモ行進の様子が流されていた。今日のデモ行進は、デモ参加者だけでなく、カメラマン、ビデオカメラマンなども警察に連行されていた。
 もし、買い物をせずにセントロを抜けて帰っていたら、このデモ行進に出会い、今頃は写真を撮っていたと思う。残念に思う反面、これで良かったのかもしれない、という気になった。僕は、気の小さい小心者であるにも関わらず、写真を撮り始めると、少しでもインパクトのある写真を撮ることに夢中になり、我を忘れどんどん進んでしまう。戦場カメラマンの多くが命を失っているが、僕のような人間でもそうなのだから、報道カメラマンが命を失ったり、負傷したりするのは当然のことかもしれない。
 今まで3回大きなデモがあり暴動にまで発展した。そのデモに写真を撮りに行く機会があったにもかかわらず、いつも、用事ができたり、自分の中で、行く気持ちが湧かなかった。提出期限の差し迫った仕事があるのと、息子を連れての日本行きが迫っているので、怪我をしたり刑務所に拘留されたくないという気持ちがあったからだ。
 デモの実況中継で、多くのカメラマンが写真を撮っているのをみて、撮れないことにじりじりしてきた。どうしようもなくなり、「あくまでも遠くから、危ないと思ったらやめる。深追いをしなで数枚撮ったらすぐ帰る」ということを自分に重々言い聞かせて出かけた。
 普段は帰宅する人々でいっぱいの市営劇場前の大通りは殺伐とした雰囲気が漂っていた。その一方で、現場近くの、バール(軽食屋)では、実況中継を見ながら、ビールを飲んでいる人がいるかと思えば、青い顔をして現場付近から急いで離れようとすおばさんがいたり、のんびりと携帯でその様子撮っている人間がいる、まったく不思議な世界が存在していた。そして俄かカメラマン、プロカメラマンが多いのには驚いた。
デモの本隊はコンソラソン通りに移動しており、劇場前はまだ多くの人々や、警官、機動隊がいるものの大分落ち着きを取り戻していた。写真を撮っているうちに、どんどん深みにはまっていき、さらに本隊をおいかけて行こうと気持ちが逸ったが、なんとかぐっと抑え帰ってきた。
約12000人が参加し、参加者、カメラマン、ジャーナリストを含め約200人が拘留された。サンパウロの抗議運動はブラジル全土に広がりつつあり、昨日はリオ、レシフェ、サルバドールなどでもデモ抗議が行われた。デモがこれほどまでに大きくなると、今後、W杯、オリンピック、ブラジル経済にもかかわってくること思われる。それにもかかわらず、日本ではほとんど報道されていない。多くの日本企業が進出し、ブラジルとの関係を築いていこうとしている今、関係ないとは決していえないと思うのだが・・・・・。

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