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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
6・23 一般市民に拡がるデモ [画像を表示]

6・23 一般市民に拡がるデモ (2013/06/23)  ブラジルのデモの波は弱まることなく、ブラジル全国に波及している。当初、暴動につながっていたデモも少しずつ、穏健で安全なデモになりつつあるような気がする。しかし、警官隊や機動隊のデモを抑え込もうとする側は、少しずつ過激になりはじめている。
とはいうものの2014年に選挙を控えているだけに、現政権も国民に嫌われるような力で抑え込むようなやり方は極力控えているようだ。
テレビで生放送を見たり、実際何度かデモに参加したが、デモ隊も警官隊も、ほとんど統率がとれていないのが現実のようだ。参加する人々が膨れ上がったはいいが、1000人ほどの散発的に起こるデモには、おそらくきちんとした統率者が居ないためにデモ行進の道筋もきちんと行き届いていない。デモ途中で何処に行くのか迷ってしまい、ぼろぼろ人が散会してしまうとデモ行進も何度あった。警官隊も指揮がうまくとれておらず、隊長とデモの統率者で話し合いがもたれている数百メートル後ろで突然、ガス弾やゴム弾が一斉に発射されたりしている。たくさんの群衆が集まるデモでは、こうした突発的な事故? が怖い。
「うちの娘もデモに参加すると言ってでかけるんだけど心配で心配で。喋り方もそれっぽくなっちゃって」
と、年ごろの娘を持つ友人が嘆いていた。
16歳の息子に参加していないのか? と聞いた所、「母親が心配するから、してないよ。でも、友達たちは皆しているよ」という返事が返ってきた。しかし、一瞬、戸惑ったような返事から、本当は参加しているだろうと、すぐ解った。彼の性格からして、母親の言うことなぞ聞くとは思えない。
参加してもいいが、参加するのは大きなデモだけにして10時までには必ず家に帰って来ることを、と約束させた。
僕が実際参加した限りでは、パウリスタ大通りやセ広場などで行われる大きな集会やデモは危ない雰囲気は感じられなかった。小さな子供連れや、先生が引率して参加しているグループもあった。警察や機動隊もさすがに10万人以上の一般市民があつまったデモに向かってガス弾やゴム弾を撃ち込むようなバカなマネはしない。大きなデモではモノを壊したり暴力的な行為が始まると、一斉に「暴力反対」のシュプレヒコールが起こり、沈静化される。しかし、大きなデモや集会が解散してから、12時以降になると、デモの名を借りて、強盗団や過激な少数グループが略奪や暴動が起こることがあるので危ない。こうしたデモには警官隊も情け容赦なくガス弾を撃ち込むし、検挙に走る。
デモの流れは少しずつ、世界的に一番インパクトのあるW杯反対に向かっているような気がする。政治家の汚職贈賄のない健全な社会になってほしいが、もし、W杯がなくなったら・・・・。その影響でオリンピックも危うくなるだろうし、ブラジル経済のことを考えると怖い。
今日の、日本のニュースサイトではほとんど取り上げられていない。地球の反対側の日本では、対岸の火事のように思っているかもしれない。しかし、このデモのためにブラジルのジウマ大統領の訪日も中止になってしまったし、ブラジル経済がおかしくなると少なからずの影響を日本経済も受けるだろう。ガラパゴス携帯ではないが、もう少し、世界の流れに目を向けてもらいたい、と思う今日この頃である。

週末あたりから、国際空港や、国内空港付近でデモが行われ、空港が半閉鎖状態になったらしい。来月の中旬に旅行をする予定だけに、心配である。

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