6・24 逃げ出したセン・テット (2013/06/25)
セントロのオットン・パレセの前を通ると、入り口がコンクリートで塗り固められていた。 このホテルは、かつては、サンパウロでも有数の五つ星ホテルであったが、建物および施設のうまく改修が行われず、荒れていく一方となり、ついには閉鎖されてしまっていた。しばらくして使われなくなったこの建物に目をつけた、セン・テット(家なし市民)が、入り込み、数家族がすみついていた。もちろん、所有者の許可もなしに、勝手な不法占拠である。セン・テットが不法占拠し勝手にすんでいる古い建物は、セントロだけでも4,5か所あり、グループの旗を窓から垂らし、自分らが住んでいることをアピールして気炎をあげている。センテットにしろ、センテーラ(土地なし農民)にしろ、その多くは政治家と密接な関与があり、大きな問題をはらんでいる オットンパレセのセンテットは、なんと建物を放棄したのだ。過激なデモ隊が打ち壊し前にある市役所を行った際に、とばっちりを食いオットンパレセの建物もガラスを割られ、なぜか建物の中で煙が充満しはじめ、住んでいたセンテットたちは放棄して逃げ出してしまった。 これが偶然なのか、あるいはデモに乗じて、センテットたちを追い出す手段だったのか? わからないが、旧オットンパレセはセン・テット完全に追い出され、閉鎖されてしまった。 さらに、近くに住みついていた路上生活者たちも皆いなくなっていた。 今、ブラジルで行われているデモの背後には、さまざま思惑が蠢いているような気がする。悪徳政治家や資本家に左右されずに、国民のためになる正しい方向に進んでいってもらいたいものだ。
|