朝の散歩を、やっと半分ほどしか歩けなかったンンジャも、足腰がもとに戻ってきたのか、ちゃんと歩けるようになった。最初は、もう死んじゃうじゃないかとかなり心配したが、二日後には、一部の区間ではあるがトップを切って歩くほどになり、ほっと胸をなでおろした。 　この犬はいつも僕を心配させる。 急に足腰が立たなくなり、ふらふらになってしまったこともあった。獣医に相談すると、「脳の病気だから、完治するのは難しいです。薬で進行するのは抑えられますが・・・」という話であった。この話を聞き、ニンジャは余命いくばくもない、と思っていたら、この頃はそんな症状は一向に見なくなってしまった。いったいあれはなんだったんだ、という感じである。もしかしたら、変なものを拾い食いして中毒にでもなっていたのかもしれない。しかし、最近ぐっと歳をとってきたことは確かで、顔の毛も先が白くなり始めている。 今まで飼ってきた犬の中でもトップクラスで頭が良く、さらに愛妻アズミ思いで、アズミが困らないようにいつも気を配るような犬ではあるが、気分屋で人の言う事を聞かない、変な犬である。ニンジャが逝くとアズミもガクンと弱るだろう。僕のためにもずっと健康で長生きしてもらいたい

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