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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
8・13 僕のアパート [画像を表示]

8・13 僕のアパート (2013/08/13)  去年から、僕の住む建物の外壁の掃除が行われているがいまだに終わらない。ほとんど1年がかりである。裏の方から順々におこなわれ、やっと僕の住む側にきたが、遅々として進まない。進まないのも当然で、ほとんど掃除をしている人を見かけない。いったい何をしているのであろう?
 僕の住む建物は、市の文化遺産にもなっている築50年以上の古い建物である。こんなに古いにも関わらず27階もあり、昔は、地方の牧場主などの金持ちがサンパウロに来た時の滞在場所などとして使っていたらしい。昔は高級アパートだったのだ。
 風景もよく、交通の便もよい、古い建物なので部屋が広いということもあり、僕としては非常に気に入っている。しかし、立地場所がセントロに近いこともあり、治安が良いとは決していえない。だから、最近でこそ日系人がポツポツ住み始めているが、ほとんど日系人は住んでいない。住人にはゲイや娼婦、麻薬の売人もいるらしい。僕としてはこの点も含めて好きなのではあるが・・・。
 古くて文化遺産になっていることから、家屋税は無料である。こうしてみると、僕にはいいことばかりのように見えるが、あまりに古くなっていることから中の配管はボロボロで10年の間に3回ほど配管の交換工事をしなければならなかった。
 引っ越しした当初、蛇口がきちんと閉まらず、中の部品を交換しようと道具売り店に、使われていた部品を持って行って同じものが欲しいと店員に頼んだところ「そんな古いものは博物館にでも行かないとないよ」と言われ、しぶしぶ蛇口全体を新しいモノに取り換えた。なかなか骨董的雰囲気のある蛇口で気に入っていたのに。
 サンパウロ大学の建築科の友人に聞いたところ、ブラジルの高層アパートの一般的寿命は80年らしい。僕のアパートは60年近いから僕が死ぬまでこのアパートに住むことができるかはギリギリの線である。僕の悲しそうな顔を見て友人が「あの建物は、ブラジル経済が良いときに建てた高級アパートですから、資材も良いものを使っているから100年は持つでしょう」と慰めてくれた。
 死ぬまでなんとかこのアパートに住み続けることができればよいのだが・・・・、不安がないでもない。

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掃除をするために、建物全体に大きな布? がかけられて、せっかく眺望は台無し。ベランダで野菜を栽培しようと思っているので早く終わって欲しい。


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