8・14 あのうねりは何処に (2013/08/15)
今日は、久しぶりにセントロでデモに出くわす。 あの一番盛り上がった頃に比べると、参加者の数も、人の熱意も随分落ちた感じが否めなかった。曇り空の寒い天候も影響しているのだろう。見ると、政党の旗や、Tシャツを着て参加している人も大勢いる。2か月前のデモでは、政党の旗を掲げようものなら、他の参加者がよってたかっておろさせたものである。この辺にも、人々の熱意が下がっていることを感じた。 2か月前のデモは熱かった。バスの値上げ反対から起きた、小さなデモが、サンパウロ中に、そしてブラジル中に熱いうねりとなり広がり、ブラジルを変えようという意識が国民に芽生え広がった。こんなことは僕が知る限りでは初めてであったし、永住し、長期間住む人に聞いても初めてのことだと言っていた。サンパウロの経済の中心地パウリスタ大通りには十数万人の市民が集まりデモ行進をした。ブラジルを変えよう、すべての人々が、少しでも良い生活を送れるよう訴えるデモであった。僕自身その場にいて熱いモノを感じた。もしかしたら、ブラジルの汚職・贈賄が減るかもしれない、ブラジルが変わるかもしれないと思わせるデモであった。ジウマ大統領も、今後汚職贈賄をなくすように努力すると約束し、動き始めていた。 しかし、あの熱いうねりも、どんどん収束していき、僕が2週間の旅行から帰ってからは、ほとんどデモの話とは聞かなくなっていた。ときおり、小さなデモ行進がぽつりぽつりと起きている程度であった。 「デモの参加者が50レアル~70レアルのお金をもらっているという記事が写真付きで新聞にのったのよね。もう、がっかりしちゃった」 これを聞いて僕もがっかりした。しかし、日本の記事もそうだが、ブラジルの記事も全面的には信用できない。デモを収束させるために、政府や政党が画策したことかもしれない。あの、一番盛り上がった頃の人々の熱さはほんものだった。たとえ、どんな記事がのろうと、あのデモの盛り上がりはほんものだったと僕は確信している。
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