9・16 フェイラ (2013/09/16)
久しぶりに、フェイラ(青空市)の写真を撮りに行こうと突然思い立った。 2か月ほど前に、フェイラの写真を撮るために数か所回った。フェイラによって随分と買い物客の雰囲気が違うし、野菜や果物の鮮度や質に随分差があることを知った。回っているうちにだんだん面白くなった。 その何か所かのフェイラの中でも印象に残ったのがグリセリオのフェイラである。かなり大きなフェイラで、普通は1本の道に露店が立つのが普通であるが、ここはクロスする2本の道に露店が立っていた。 このフェイラに行くと思い立ったのはいいが、まず、ここに行くまでが怖い。ほとんどファベーラのような、ごちゃごちゃと汚い一角を通りぬけ、路上生活者10数人が寝ている脇を通り過ぎ、やっとフェイラにたどり着く。数人の4,5歳の子供たちが鬼ごっこでもしているのかはしゃぎながら走ってやってきた。ほぼセントロにあたる場所で子供たちが楽しそうに遊んでいるのをほとんど見たことがない。ファベーラの子供たちと同様皆のびのびと遊んでいる。ブラジルでは誘拐が多く、普通は子供たちだけで遊んでいる姿をほとんど見ない。かならず大人が見ている。この地域は今でも古い大きな家が多く、貧しい人々が部屋を借りて住んでいる。以前は東北伯からの出稼ぎばかりだったようだが、最近はアフリカ人やボリビア人などの外国人がたくさん住み始めているらしい。昔から危ないことで有名なこの地域は、普段の日はとても歩く気にはならない。 着いたのがフェイラの終わり近くだったせいか、ほとんどの商品がたたき売り状態であった。ここで売られている野菜や果物は、通常の時間でも見るからに小さかったり、質がわるかった。その癖、値段は他のフェイラとあまり変わらなかった。しかし、終わり間際になると、びっくりするほど安くなるものがたくさんあった。恐らく、日持ちしない状態のものが多いのだろう。アボガドがあれば買おうかと思っていたが、そういう気にはならなかった。 客は黒人系、ボリビア人、中国人、アフリカ人などが、うちの近くのフェイラに比べると随分国際色豊かな感じがする。もっとも、うちのフェイラにはゲイやレズ、パッと見は女だが、胸や尻にシリコンを入れたニューハーフ? などが多い。 本当は、2回りしたかったが、場所的に危ないところなので長居は無用である。端から端まで撮りながら歩き撮影を終えた。 帰りは別の道を通ると、路上生活者10数人がたまり、寝ながら気だるそうにクラックを吸っていた。おそらく、セントロを追い出された路上生活者たちがここまで移ってきたのだろう。僕が通っている郊外のファベーラ以上に汚く、饐えた雰囲気が漂う。自分の生活範囲の数キロも離れていないようなところに、こんな場所があるなんて驚きであった。
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