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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
10・23 ニンジャのように [画像を表示]

10・23 ニンジャのように (2013/10/23)  ほぼ毎日セントロの写真をとりながら徘徊しているが、最近随分撮りづらくなってきた。
 ブラジルは特に肖像権がうるさい国だけに、その人を撮っていないにもかかわらず「俺を撮っただろう」と言っていちゃもんをつけて追いかけてくる人間が結構いる。僕は人の写真を撮ることが多く、それも大きな一眼レフで撮るので文句を言われるのかと思っていたら、友人と話していると、建物を撮っていて、たまたま小さく人が入っただけで「写真を撮っただろう」と文句を言われてびっくりしたと言っていた。最近はインターネットが発達し、すぐネットに載せたりする人が多いから、皆、異常に神経質になっているのだろう。
 僕の場合は比較的近くで撮る場合はかならず、許可を得るようにしている。それでも印象的なポーズや雰囲気の人を撮る場合、声をかけると2度と同じシーンを撮ることはできないので、できるだけさりげなく、気づかれないようにこっそり撮る。以前は僕の気配を察知してか、ファインダーを覗いていると気づいて僕の方を見る人が多かったが、最近は気づかれずに撮ることができるようになってきたような気がする。もしかしたら、ニンジャのように気配を消す要領をしらない間に身に着けたのかもしれない。もし、そうなら嬉しいが・・・。
 以前、日本から取材にきた記者を何回か案内することがあった。女性記者がどうしてもある店内の写真を撮りたいと言い出したことがあった。しかし、一般的にブラジルでは店内の写真を撮ることは禁止されている。許可を得ようとすれば、たいてい支配人や本店の許可がいる。許可を取るだけで数日間かかってしまう。もちろん、その人の裁量で簡単に「いいよ」と言ってくれることもあるが、たいていは自分が責任を被ることを恐れ、上の人に聞いてみないとダメということになる。それで、こっそり撮ることになった。すると、その記者の目つきが急に鋭くなり、獲物を狙うような、盗みをするような目つきになった。これじゃあ、不審に思われるだろう。そう思いながら見ていた。別に大それた悪い事をしているのではないが、後ろめたい事をしているという意識があるので、こんな目つきや動きになるのだろう。このとき、写真をこっそり撮るときには、あくまでも普通の表情で、不審な動きをしないこと、とつくづく思った。

 
DSC_1574.jpg
撮っていると思われないようにするのが、なかなか難しい


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